飲食料品の消費税1%で飲食店はどうなる?店内飲食・テイクアウトへの影響を税理士が解説

飲食料品の消費税が1%になる?

2026年10月9日、政府は、飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、1%に引き下げることなどを盛り込んだ法律案を閣議決定し、第222回国会に提出しました。

10月20日には衆議院本会議で趣旨説明・質疑が行われ、財務金融委員会へ付託。10月23日以降、同委員会などで審議が行われ、11月6日午前に財務金融委員会、同日午後に衆議院本会議で、それぞれ与党などの賛成多数により可決されました。

ただし、2026年11月6日現在、法案は衆議院を通過した段階であり、法律として成立したわけではありません。今後、参議院で審議され、内容が修正される可能性もあります。2027年4月からの税率1%は、現行制度として確定したものではありません。

提出法案と国税庁の公表資料では、次のような制度が示されています。

・実施予定期間:2027年4月1日~2029年3月31日
・税率:国税0.78%+地方消費税0.22%=合計1%
・対象:現行の軽減税率対象の飲食料品(一定の新聞は8%を維持)
・飲食店:原則として店内飲食10%、テイクアウト・出前1%
・簡易課税:1%対象売上の売上税額と同額を控除する特例
・2割特例・3割特例:それぞれ適用できる課税期間で、1%対象売上について同様の特例
・簡易課税から本則課税への移行に関する届出・継続要件の特例
・免税事業者が課税事業者になるための届出の特例
・中間申告、総額表示、定期供給契約・通信販売の経過措置
・インボイス・帳簿・レジ・会計ソフトの税率区分対応

また、国税庁は2026年9月15日に「消費税率引下げ特設サイト」と29ページのQ&Aを公表し、10月9日には改訂後の消費税申告書様式のドラフトを公開しています。したがって、税率引下げは抽象的な構想ではなく、実務対応まで具体化された法案の審議段階にあります。

本記事では、2026年11月6日現在の提出法案、衆議院通過の状況および国税庁Q&Aを前提に、飲食店経営者の疑問を会話形式で解説します。参議院での審議や成立する法律によって、内容が変更される可能性がある点にはご注意ください。

飲食料品1%をめぐる最新情報・更新履歴

更新日 主な動き
2026年11月6日 飲食料品の消費税率を2年間1%へ引き下げる政府提出法案について、衆議院財務金融委員会と衆議院本会議で賛成多数により可決され、衆議院を通過しました。ただし、法律は未成立で、参議院での審議が残っています。
2026年10月26日 衆議院の議案審議経過を確認。10月26日時点で法律案は未成立のため、記事を国会提出法案と国税庁Q&Aに基づき更新しました。
2026年10月23日 衆議院財務金融委員会で、飲食料品1%への引下げなどを盛り込んだ法律案を審議しました。
2026年10月20日 衆議院本会議で法律案の趣旨説明・質疑を実施。財務金融委員会へ付託されました。
2026年10月9日 政府が関連法律案を閣議決定し、第222回国会に提出。国税庁は、消費税率引下げ対応の申告書様式ドラフトも公開しました。
2026年10月6日 国税庁が特設サイトに制度説明動画(詳細版)を掲載しました。
2026年9月15日 政府が「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定。2027年4月1日から2029年3月31日まで飲食料品を1%とすること、国税0.78%・地方消費税0.22%とすること、簡易課税、本則課税への移行、中間申告、総額表示、予約販売・通信販売などの特例が具体化しました。
2026年9月11日 自民党税制調査会・社会保障制度調査会合同会議が大綱を了承。政府・与党は関連法案を国会へ提出する方針を示しました。
2026年9月8日 内閣官房が大綱案を公表。税率1%の内訳、実施期間、簡易課税、本則課税への移行、事業者支援などの具体的な制度設計が明らかになりました。
2026年9月3日 9月2日の自民党税制調査会で、本則課税への移行、簡易課税、総額表示、中間申告、予約販売・通信販売の5つの経過措置が整理されました。
2026年8月31日 簡易課税から本則課税へ移行する際の特例や総額表示の取扱いについて具体的な検討が開始。外食産業への資金繰り支援などの予算措置についても検討が進められました。
2026年8月5日 政府が、2027年4月1日から2年間、現在の軽減税率対象となっている飲食料品の消費税率を1%とする基本方針を閣議決定しました。
2026年7月31日 本記事を初回公開。飲食料品1%について、当時公表されていた情報をもとに飲食店への影響を解説しました。

1%になるのは「現在8%のもの全部」ではない

「消費税が実質ゼロ」と報道されているのはなぜ?

飲食店では何が1%になり、何が10%のままになる?

「8%から1%になるなら、価格を7%下げなければならない」は誤り

食材の仕入れも1%になる?

「仕入れ1%・売上10%なら9%もうかる」は誤り

簡易課税の飲食店には重要な特例が設けられる

飲食店なら全部第4種でいいわけではない

簡易課税の「75%ルール」はどうなる?

簡易課税から本則課税へ移りやすくする特例も

中間申告にも特例が設けられる

3割特例を使える個人事業主は別に考える

免税事業者なら関係ない?

デリバリー・出前・ケータリングはどうなる?

2027年は8%・1%・10%が同じ年に混在する

インボイスは8%・1%・10%をどう書き分ける?

レジ・POS・会計ソフトは2027年と2029年の2回対応が必要

値札・メニューの総額表示には特例

予約販売・通信販売は4月以後でも8%になる場合がある

外食事業者への支援策も盛り込まれた

食品1%で飲食店が必ず損をするわけではない

2027年4月までに飲食店が確認しておきたいこと

町田・相模原で飲食店の消費税対応に不安がある方へ

店内飲食10%、テイクアウト等の飲食料品1%、一定の新聞8%という3つの税率が生じると、飲食店の会計処理や価格設定はこれまで以上に複雑になります。

食材の仕入税額控除、本則課税と簡易課税の選択、3割特例、75%ルール、中間申告、インボイス、レジ・POS、総額表示、予約販売の経過措置などを、それぞれ確認する必要があります。

2026年10月9日に法律案が国会へ提出され、11月6日には衆議院本会議で可決されました。国税庁からはQ&Aや申告書様式のドラフトも公表されています。しかし、法律はまだ成立しておらず、参議院での審議によって内容が変更される可能性があります。

制度の成立後には、自店の売上・仕入れ・経費・課税方式に基づいて納付税額と資金繰りを試算し、必要な届出やシステム改修の準備を進めることが大切です。

町田・相模原で飲食店の消費税やインボイス対応に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。

町田・相模原で税理士をお探しなら、タクスリンク税理士事務所へ

主な根拠

※本記事は2026年11月6日時点の国会提出法案、同日の衆議院本会議可決に関する報道、衆議院の議案審議経過、国税庁公表資料等をもとに作成しています。法案は衆議院を通過しましたが、2026年11月6日時点で法律は未成立です。2027年4月1日からの税率1%、簡易課税・3割特例との関係、中間申告、表示、経過措置、支援策などは、今後の国会審議、成立する法律、政令・省令、国税庁の正式な資料等により変更・具体化される可能性があります。

Author Profile

末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。