所得税・住民税の計算対象となる所得を減らすことができます。
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個人事業主
経費になるということですか?
税理士
そこは誤解しやすいところです。
国民年金基金の掛金は、事業所得の必要経費ではありません。
売上から経費を差し引いて事業所得を計算し、その後に、社会保険料控除として所得から差し引くものです。
つまり、帳簿上の経費として処理するというより、確定申告書で所得控除として反映するイメージです。
個人事業主
掛金を払った分だけ、税金がそのまま安くなるのですか?
税理士
いいえ。掛金額そのものが税金から差し引かれるわけではありません。
掛金額が所得から差し引かれ、その結果として所得税・住民税が下がります。
たとえば、年間60万円を国民年金基金に拠出し、所得税率が20%、住民税率が10%程度であれば、単純計算ではおおむね18万円程度の所得税・住民税の負担軽減効果が見込まれます。
ただし、これは復興特別所得税などを除いた概算です。実際の節税額は、課税所得や所得税率によって変わります。
個人事業主
iDeCoも節税になると聞きました。国民年金基金と何が違うのですか?
税理士
iDeCoも掛金全額が所得控除になります。
ただし、控除の種類が違います。
国民年金基金の掛金は、社会保険料控除です。
一方、iDeCoの掛金は、小規模企業共済等掛金控除です。
どちらも所得を減らす効果があるため、同じ金額を拠出した場合、拠出時の所得控除による節税効果は基本的に近いと考えてよいです。
個人事業主
では、節税だけで見れば、国民年金基金でもiDeCoでも同じですか?
税理士
拠出時の所得控除という意味では、同額を拠出すれば節税効果は基本的に同じ方向です。
ただし、制度の性格はかなり違います。
国民年金基金は、終身年金を確保する保険的な性格が強い制度です。加入時の設計により、将来受け取る年金額がある程度見えやすい点が特徴です。
一方、iDeCoは、自分で投資信託や預金などの商品を選び、運用しながら老後資金を作る制度です。運用成績によって、将来の受取額が増えることもあれば、思ったほど増えないこともあります。
個人事業主
国民年金基金とiDeCoは併用できますか?
税理士
個人事業主などの国民年金第1号被保険者であれば、国民年金基金とiDeCoは併用できます。
ただし、それぞれ別々に上限いっぱいまで拠出できるわけではありません。
2026年8月現在、原則として、国民年金基金とiDeCoを合わせて月6万8,000円が上限です。
たとえば、国民年金基金に月3万円拠出する場合、iDeCoは原則として月3万8,000円まで、という考え方になります。
個人事業主
2026年12月から上限が変わると聞きました。
税理士
2026年12月1日から、国民年金第1号被保険者について、国民年金基金とiDeCoの共通上限が月7万5,000円に引き上げられる予定とされています。
そのため、今後は月6万8,000円ではなく、月7万5,000円を前提に配分を考える場面が出てきます。
ただし、制度改正は実際の施行時期や細かな取扱いを確認する必要があります。加入や掛金変更を検討するときは、最新情報を確認してください。
個人事業主
国民年金基金は、途中でやめたら返金されますか?
税理士
国民年金基金は、一般の個人年金保険のように、途中で解約して解約返戻金を受け取る制度ではありません。
資格を喪失した場合でも、それまでの加入実績に応じた年金を将来受け取る仕組みになります。
そのため、節税になるからといって、短期的に必要になる可能性がある資金まで入れてしまうのは危険です。
事業資金、納税資金、生活防衛資金を確保したうえで、老後資金として拠出する金額を決める必要があります。
個人事業主
iDeCoも途中で引き出せないのですか?
税理士
iDeCoも、原則として60歳まで引き出せません。
一方で、iDeCoには運用益が非課税になるという特徴があります。
受取時も、年金で受け取る場合は公的年金等控除、一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象になります。
ただし、iDeCoは自分で運用商品を選ぶ制度です。投資信託を選ぶ場合には、運用リスクもあります。
個人事業主
国民年金基金とiDeCoは、どちらを優先すればよいですか?
税理士
節税額だけで決めるより、老後資金をどう作りたいかで考えるのがよいです。
終身年金を重視し、将来の年金額をある程度安定させたい場合は、国民年金基金が向いています。
自分で運用し、長期的な資産形成を重視したい場合は、iDeCoが向いています。
実務上は、国民年金基金で最低限の終身年金を作り、残りの共通枠をiDeCoで運用するという併用も考えられます。
個人事業主
誰でも国民年金基金に加入できますか?
税理士
基本的には、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者が対象です。
ただし、第1号被保険者であっても、国民年金保険料の免除、納付猶予、学生納付特例などを受けている場合には、原則として国民年金基金に加入できないことがあります。
そのため、加入前には、ご自身が国民年金基金の加入資格を満たしているか確認してください。
個人事業主
国民年金基金に入るべきか、iDeCoにするべきか、どう判断すればよいですか?
税理士
まず、現在の課税所得を確認します。
課税所得があまり出ていない場合は、所得控除による節税効果が小さくなります。
次に、毎月いくらまでなら長期間引き出せなくても問題ないかを確認します。
そのうえで、終身年金を重視するのか、自分で運用して資産形成を重視するのかを考えます。
税金だけを見ると「上限まで入れた方が得」に見えやすいですが、事業資金が不足して借入が増えたり、納税資金が足りなくなったりしては本末転倒です。
町田・相模原の個人事業主の方へ
国民年金基金やiDeCoは、個人事業主にとって有効な節税策になり得ます。
ただし、節税効果は課税所得によって変わります。また、どちらも老後資金制度であり、原則として自由に引き出せるお金ではありません。
そのため、国民年金基金やiDeCoを検討するときは、所得税・住民税の節税額だけでなく、事業資金、生活費、納税資金、将来の年金設計まで含めて考える必要があります。
町田・相模原で、個人事業主の確定申告、節税、法人成り、資金繰りについて相談したい方は、タクスリンク税理士事務所へご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、2026年8月時点の情報を前提とした一般的な解説です。実際の加入可否、掛金上限、2026年12月1日施行予定の改正内容、iDeCoとの併用額については、加入前に国民年金基金、iDeCo運営管理機関、最新の公的資料をご確認ください。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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