確定申告のたびに「思っていたより税金が高い」と感じて、来年こそは何か対策をしよう——そう思いながら、結局何もしないまま次の申告時期を迎えてしまう。
そんな経験はありませんか。
税金対策と聞くと難しそうに感じますが、実際には経費の計上方法や使える控除を知っているかどうかで、納める税額は大きく変わってきます。
ここでは、個人事業主やフリーランスの方が今日から取り組める税金対策を、具体的な手順とともに整理していきます。
なぜ税金対策を後回しにしてしまうのか
税金対策が進まない理由の多くは、「何をすればいいか分からない」ことに尽きます。
経費にできる範囲があいまいなまま申告している、白色申告のまま何年も続けている、使えるはずの控除を申告し忘れている——こうした状態は、決して珍しくありません。
税金対策とは、税法の範囲内で使える制度を漏れなく活用し、課税対象となる所得を適正に抑えることを指します。
裏を返せば、制度を知らなければそれだけ余分に税金を払っていることになるわけです。
まずは自分がどの制度を使えていないのかを把握するところから始めましょう。
今日から始められる税金対策の手順
ステップ1: 白色申告から青色申告に切り替える
まだ白色申告をしている場合、最初に検討したいのが青色申告への切り替えです。
青色申告に切り替えるだけで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます(e-Taxでの申告または電子帳簿保存が要件)。
複式簿記による記帳が必要になりますが、会計ソフトを使えば大きな負担にはなりません。
開業から一定期間内に届出書を提出する必要があるため、思い立ったらできるだけ早く税務署に確認するとよいでしょう。
ステップ2: 経費を漏れなく計上する
次に見直したいのが経費の計上範囲です。
自宅の一部を事務所として使っている場合、家賃や水道光熱費、通信費のうち事業で使った割合を「家事按分」として経費にできます。
面積や使用時間など、具体的な基準で按分することがポイントです。
また、30万円未満の資産を購入した場合は「少額減価償却資産の特例」を使えば、青色申告者であれば取得した年に全額を経費として計上できます(年間300万円が上限)。
家賃やクラウドサービスの利用料など一部の費用は、1年分をまとめて前払いすることで「短期前払費用」として計上できる場合もあります。
ステップ3: 使える所得控除を洗い出す
経費だけでなく、控除の活用も税負担を左右します。
家族に事業を手伝ってもらっているなら、青色事業専従者給与の届出をすることで、実際に支払った給与を経費にできます。
老後資金の準備と節税を両立したいなら、小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)が代表的な選択肢です。
掛金の全額が所得控除の対象になるため、拠出した分だけ課税所得を圧縮できます。
ふるさと納税も、自己負担2,000円を除いた金額が控除の対象になる仕組みなので、活用しない手はありません。
ステップ4: 記録を残す習慣をつける
どの対策を選ぶにしても、レシートや領収書の保管は欠かせません。
個人事業主の帳簿書類は原則7年間の保存義務があります。
会計ソフトを使って日々の記帳を習慣化しておくと、確定申告の直前に慌てずに済みますし、税務調査が入った際にも根拠を示しやすくなります。
なお、税金対策の考え方全体や、法人化を検討すべきタイミングについては節税の基本と失敗しない考え方でも詳しく解説しています。
あわせて確認しておくと、対策の全体像がつかみやすくなるはずです。
つまずきやすいポイント・よくある誤解
「支出したものは何でも経費になる」は誤解
事業との関連性が説明できない支出は、経費として認められません。
家事按分についても、根拠のない按分割合は税務調査で指摘される対象になりやすいとされています。
「事業のために使った」と説明できるかどうかを、支出のたびに意識しておくことが大切です。
控除は自分で申告しないと反映されない
医療費控除や生命保険料控除などは、税務署が自動で計算してくれるわけではありません。
確定申告書に自分で記載しなければ、適用されないまま余分な税金を払うことになります。
年末が近づいたら、その年に使える控除を一度リストアップしておくと申告漏れを防げます。
青色申告の届出は期限がある
青色申告特別控除を受けるには、原則としてその年の3月15日まで(新規開業の場合は開業から2カ月以内)に届出書を提出する必要があります。
届出のタイミングを逃すと、その年は控除を受けられなくなってしまうため、切り替えを決めたら早めに動くのが安心です。
共済への加入は長期的な視点で判断する
小規模企業共済は掛金が全額所得控除になる一方、加入期間が短いうちに解約すると元本割れするリスクがあります。
目先の節税効果だけでなく、将来の資金計画も踏まえて検討することをおすすめします。
まとめ
税金対策は、特別な裏ワザを使うことではなく、青色申告への切り替え・経費の正確な計上・控除の活用という基本を積み重ねることが近道です。
まずは自分がどの制度をまだ使えていないかを確認し、記録を残す習慣とあわせて、できるところから一つずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。




