法人成り時の従業員退職金はどうする?勤続年数引継ぎと必要経費を税理士が解説

法人成りに伴う従業員退職金の取り扱い

法人成りをすると、個人事業時代から働いていた従業員を、新設法人でも引き続き雇用することがあります。

この場合に問題になるのが、個人事業時代の勤続年数と退職金の扱いです。

個人事業の廃業時に退職金を支給して過去勤務分をいったん清算する方法もあります。一方で、退職金を支給せず、個人事業時代の勤続年数を法人へ引き継ぐ方法もあります。

どちらも税務上あり得ますが、個人事業主、法人、従業員のそれぞれで、経費になる時期や退職所得控除の計算が変わります。

法人成り時に比較すべき2つの方法

項目 法人成り時に退職金を支給する方法 勤続年数を法人へ引き継ぐ方法
個人事業主 適正な退職金を必要経費として検討 原則として法人成り時点では退職金経費なし
従業員 法人成り時に退職所得として課税 将来の実際の退職時まで退職所得課税なし
法人での勤続年数 法人入社日から再スタートさせるのが明確 規程上、個人事業時代から通算可能
法人の将来退職金 原則として法人勤務分を基礎に計算 個人事業時代を含めて算定可能
法人の損金 将来の法人勤務分が中心 相当期間経過後の退職なら、個人事業時代を含む退職金全額を法人損金とする取扱いあり
退職所得控除 個人事業時代の勤務年数で一度計算 規程が整っていれば、個人事業時代と法人時代を通算可能
注意点 法人退職時に同じ過去勤務期間を二重に加味しない 退職給与規程に通算する旨を明記する

町田・相模原で法人成り後の経理・給与設計に不安がある方へ

法人成りでは、会社設立手続きだけでなく、売上・経費・資産・借入金・従業員・給与・退職金の引継ぎまで整理する必要があります。

特に、従業員退職金は、個人事業主の必要経費、法人の将来損金、従業員の退職所得控除にまたがるため、法人成り時点で方針を決めておくことが重要です。

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※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の処理は、個人事業時代の退職給与規程、法人側の退職給与規程、従業員ごとの勤続年数、退職時期、親族関係、青色事業専従者該当性、退職金額の算定根拠などにより異なります。

Author Profile

末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。