個人事業主であれば、事業用口座を作っていなくても確定申告は可能です。
所得税法上、確定申告のために事業専用の銀行口座を開設しなければならない、という規定はありません。
ただし、プライベート口座を使っている場合でも、事業に関係する売上や経費を区分し、帳簿へ漏れなく記録する必要があります。
個人事業主
事業用口座を作っていません。プライベート口座だけで確定申告できますか?
税理士
はい。個人事業主であれば、事業用口座を作っていなくても確定申告はできます。
所得税法では、事業専用口座の開設までは求められていません。求められているのは、売上や経費など、事業に関係する取引を帳簿に記録し、必要な書類を保存することです。
個人事業主
では、プライベート口座に売上が入っていても問題ないですか?
税理士
口座がプライベート用であること自体は、ただちに問題ではありません。
ただし、その口座に入った売上を漏れなく把握し、帳簿に記録する必要があります。
プライベートの入金と事業の売上入金が混ざっている場合、売上の計上漏れが起きやすくなります。通帳明細、請求書、入金予定表、決済サービスの明細などを突き合わせて、事業分を区分してください。
個人事業主
プライベート口座に売上が入った場合、仕訳はどうなりますか?
税理士
代表的には、事業のお金が事業主個人側に入ったものとして、「事業主貸」を使います。
たとえば、プライベート口座に売上10万円が入金された場合は、次のように処理します。
事業主貸 100,000円 / 売上 100,000円
これは、事業用口座に入金されていないから売上にしなくてよい、という意味ではありません。口座の種類にかかわらず、事業の売上であれば売上として記録します。
個人事業主
逆に、プライベート口座や個人カードから事業経費を払った場合はどうなりますか?
税理士
その場合は、事業主個人が事業の経費を立て替えたものとして、「事業主借」を使います。
たとえば、個人カードで事業用の消耗品1万円を購入した場合は、次のように処理します。
消耗品費 10,000円 / 事業主借 10,000円
このように、個人のお金で支払った場合でも、事業に必要な支出であれば必要経費として処理できます。ただし、領収書、レシート、カード明細、購入履歴などの保存は必要です。
個人事業主
プライベートの支出も同じ口座に入っています。全部会計ソフトに入れないといけませんか?
税理士
事業に関係しない完全な私用支出まで、経費として登録する必要はありません。
ただし、会計ソフトに銀行口座を連携している場合は、私用の入出金も取り込まれることがあります。その場合は、事業に関係するものだけを売上や経費として処理し、私用分は事業主貸や対象外などで整理します。
重要なのは、事業取引を漏らさないことと、私的支出を必要経費に混ぜないことです。
個人事業主
青色申告でも、プライベート口座だけで大丈夫ですか?
税理士
青色申告でも、事業専用口座の開設自体が法律上の要件になっているわけではありません。
ただし、青色申告では、帳簿の正確性がより重要になります。特に青色申告特別控除を受ける場合は、売上、経費、事業主貸、事業主借などを適切に記帳し、決算書を作成できる状態にしておく必要があります。
プライベート口座を使うと、事業分と私用分の区分作業が増えるため、記帳ミスや確認漏れのリスクは高くなります。
個人事業主
白色申告なら、そこまで細かくしなくてもよいですか?
税理士
白色申告でも、事業所得がある方は、売上や必要経費に関する事項を記録し、帳簿書類を保存する必要があります。
青色申告でないから、通帳や領収書を見ずにざっくり申告してよい、ということではありません。
白色申告でも、売上の計上漏れや、私的支出の経費計上があれば、税務調査で問題になります。
個人事業主
税務調査では、プライベート口座を見られることがありますか?
税理士
事業の売上入金や経費支払に使っている口座であれば、確認対象になる可能性があります。
プライベート口座を事業にも使っている場合、その口座の中から事業取引を説明できるようにしておく必要があります。
特に、売上が現金、個人口座、決済サービス、複数の入金経路に分かれている場合は、売上の漏れがないかを説明できる資料を残しておくことが重要です。
個人事業主
法人でも、代表者の個人口座だけで処理してよいですか?
税理士
法人の場合は、個人事業主とは分けて考える必要があります。
法人と代表者個人は別人格です。法人の売上や経費を代表者の個人口座で管理している場合、法人と代表者との間で、役員借入金、役員貸付金、立替金などの処理が必要になることがあります。
今回の話は、個人事業主がプライベート口座を使っている場合の話です。法人の場合は、できるだけ法人名義の口座で管理してください。
個人事業主
結局、今からでも事業用口座を作った方がよいですか?
税理士
実務上は、作った方がよいです。
プライベート口座だけでも申告はできますが、事業用口座や事業用クレジットカードを分けると、売上や経費の確認がかなり楽になります。
また、税務調査のときにも、事業取引の流れを説明しやすくなります。過去分はプライベート口座から整理し、今後は事業用口座・事業用カードへ分ける、という進め方が現実的です。
要点
主な根拠
口座を分けていないこと自体よりも、売上の計上漏れ、私的支出の経費混入、帳簿と証拠資料の不整合が問題になります。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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