「創業融資を受けたいけれど、まだ事業用口座を持っていない」
「ネット銀行しか使っておらず、どの金融機関へ相談すればよいのか分からない」
町田市・相模原市でこれから事業を始める方の中には、 近隣に複数の銀行や信用金庫があっても、 何を基準に相談先を選べばよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
金融機関の貸出姿勢を比較する際の一つの客観的な指標が、 「預貸率」です。
この記事では、町田市または相模原市に店舗を持つ信用金庫・地方銀行等について、 2026年3月期の公式決算資料・ディスクロージャー資料を調査し、 同じ計算基準で預貸率を比較します。
預貸率とは?
預貸率とは、金融機関が預金等として集めた資金に対して、 どの程度の貸出金残高を持っているかを示す割合です。
たとえば、預金等が100億円、貸出金が70億円であれば、 預貸率は70%です。
同じ預金等100億円に対して、貸出金が40億円なら預貸率は40%です。 この二つを同じ条件で比べれば、預貸率70%の金融機関の方が、 集めた資金を貸出金へ多く配分していることになります。
預貸率が高い金融機関は、融資に積極的といえる?
同じ業態・同じ基準日・同じ計算方法で比較する限り、 預貸率が高い金融機関ほど、金融機関全体として融資への資金配分に積極的な傾向がある と評価できます。
金融機関は、預金等として集めた資金を、貸出金だけでなく、 有価証券、預け金その他の資産でも運用しています。
その中で貸出金の割合が高いということは、 金融機関が貸出業務に相対的に多くの資金を配分していることを意味します。 したがって、預貸率は金融機関の融資姿勢を見るうえで有力な指標です。
預金等に対して、どの程度の資金を貸出金へ配分しているかが分かります。 同じ条件なら、預貸率が高い金融機関ほど、 金融機関全体として融資に積極的な傾向があります。
創業融資の割合、個別支店の姿勢、特定企業の審査結果、 融資金利、保証条件、審査の厳しさまでは判断できません。
預貸率が高い金融機関であっても、 個別企業への審査が甘いことを意味するわけではありません。 貸出金には、創業者向け融資だけでなく、既存企業向け融資、 住宅ローン、不動産向け融資、地方公共団体向け貸出等も含まれます。
預貸率は、金融機関全体の融資への積極性を比較する指標であり、 特定の申込者が融資を受けられる可能性を直接示すものではありません。
町田・相模原周辺の信用金庫・預貸率ランキング
信用金庫は、営業地域を限定し、 地域の中小企業や個人事業主を主な取引対象とする協同組織金融機関です。
以下では、各信用金庫の単体・期末貸出金残高を、 同日の期末預金積金残高で除して算出しています。
| 順位 | 金融機関 | 区分 | 預貸率 | 貸出金残高 (億円) |
預金積金残高 (億円) |
公式資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 西武信用金庫 | 信用金庫 | 67.61% | 14,815.41 | 21,914.23 | 公式資料 ↗ |
| 2 | 城南信用金庫 | 信用金庫 | 58.61% | 23,710.77 | 40,453.79 | 公式資料 ↗ |
| 3 | 横浜信用金庫 | 信用金庫 | 58.34% | 12,333.79 | 21,140.23 | 公式資料 ↗ |
| 4 | 芝信用金庫 | 信用金庫 | 53.73% | 6,012.11 | 11,188.82 | 公式資料 ↗ |
| 5 | 平塚信用金庫 | 信用金庫 | 44.32% | 2,687.94 | 6,064.73 | 公式資料 ↗ |
| 6 | 多摩信用金庫 | 信用金庫 | 37.19% | 12,371.58 | 33,270.19 | 公式資料 ↗ |
※残高は各金融機関の公式資料に記載された百万円単位等の数値を 億円へ換算して表示しています。端数処理により、 表示された残高から再計算した率とごく小さな差が生じる場合があります。
町田・相模原周辺の地方銀行・第二地方銀行等の預貸率ランキング
地方銀行・第二地方銀行等については、 各銀行の単体・期末貸出金残高を、 同日の期末預金残高で除して算出しています。
信用金庫と銀行では、事業構造、資金調達構造、 取引先構成等が異なるため、信用金庫とは別に順位を付けています。
| 順位 | 金融機関 | 区分 | 預貸率 | 貸出金残高 (億円) |
預金残高 (億円) |
公式資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東日本銀行 | 第二地方銀行 | 100.88% | 16,307 | 16,165 | 公式資料 ↗ |
| 2 | 神奈川銀行 | 第二地方銀行 | 93.57% | 4,384.33 | 4,685.61 | 公式資料 ↗ |
| 3 | きらぼし銀行 | 地方銀行 | 92.76% | 50,145.24 | 54,060.26 | 公式資料 ↗ |
| 4 | 静岡銀行 | 地方銀行 | 87.93% | 72,408 | 82,343 | 公式資料 ↗ |
| 5 | 静岡中央銀行 | 第二地方銀行 | 86.01% | 6,393.35 | 7,433.64 | 公式資料 ↗ |
| 6 | 群馬銀行 | 地方銀行 | 84.31% | 72,261.64 | 85,710.79 | 公式資料 ↗ |
| 7 | 横浜銀行 | 地方銀行 | 82.10% | 154,782 | 188,522 | 公式資料 ↗ |
| 8 | 山梨中央銀行 | 地方銀行 | 81.35% | 30,328 | 37,283 | 公式資料 ↗ |
| 9 | スルガ銀行 | 地方銀行 | 74.65% | 23,915 | 32,037 | 公式資料 ↗ |
※本表は比較条件をそろえるため、原則として 「単体の期末貸出金残高÷単体の期末預金残高」で再計算した単純預貸率です。 各金融機関が別途公表する預貸率が、譲渡性預金または期中平均残高を 使用している場合、公式公表値とは一致しないことがあります。
預貸率ランキングから分かること
信用金庫では西武信用金庫が首位
今回比較した信用金庫では、 西武信用金庫の預貸率が67.61%で最も高くなりました。 城南信用金庫と横浜信用金庫が58%台で続いています。
西武信用金庫は、比較対象となった信用金庫の中で、 預金積金に対する貸出金の割合が最も高く、 金融機関全体として貸出への資金配分に積極的な傾向が確認できます。
地域銀行では東日本銀行が100%超
地方銀行・第二地方銀行等では、 東日本銀行が100.88%で首位となりました。 神奈川銀行、きらぼし銀行も90%を超えています。
預貸率が100%を超えるのは、 期末貸出金残高が期末預金残高を上回っているためです。
金融機関は預金以外にも市場調達等によって資金を確保できるため、 100%を超えたことだけで直ちに経営上の問題があるとはいえません。
信用金庫と銀行を直接比較しない理由
信用金庫と銀行では、組織形態、営業地域、顧客層、 住宅ローンや大企業向け貸出の構成、資金調達手段等が異なります。
そのため、信用金庫と地方銀行を一つの順位表へ混在させると、 数字の背景が異なる金融機関を単純比較することになります。 本記事では、比較の意味を保つため、業態別に順位を付けています。
創業前の金融機関選びに預貸率をどう使う?
預貸率は、特に次のような方が相談先を絞る際に役立ちます。
- これから起業するため、まだ事業用口座を持っていない方
- ネット銀行の口座しか持っていない方
- 創業融資や制度融資をどこへ相談すればよいか分からない方
- 近隣に複数の信用金庫・地方銀行があり、違いが分からない方
使い方の例
本店予定地の近くに複数の信用金庫や地方銀行がある場合、 まず距離や営業地域を確認します。
そのうえで預貸率を確認すれば、 それぞれの金融機関が預金等に対して どの程度の貸出金残高を持っているかを比較できます。
預貸率が高い金融機関は、 少なくとも金融機関全体として融資への資金配分に積極的な傾向があるため、 最初に相談する候補を絞る材料になります。
ただし、実際の相談先は預貸率だけで決めるべきではありません。 次の点も併せて確認してください。
- 本店所在地・開業予定地からの距離
- 金融機関の営業地域
- 創業融資・事業融資の相談窓口
- 町田市・相模原市の制度融資の取扱い
- 日本政策金融公庫との連携
- 新規取引先の口座開設方針
- 担当者との相談のしやすさ
- 自社の業種・規模との相性
本ランキングの調査・計算方法
信用金庫
原則として、各信用金庫の2026年3月31日時点の 単体貸出金残高を、同日の単体預金積金残高で除しています。
地方銀行・第二地方銀行等
原則として、各銀行の2026年3月31日時点の 単体貸出金残高を、同日の単体預金残高で除しています。
銀行については、比較条件を統一するため、 原則として譲渡性預金を分母に含めていません。
金融機関が公表する公式預貸率の算式が、 譲渡性預金を含む場合や期中平均残高を使用する場合には、 本記事の数値と一致しないことがあります。
よくある質問
預貸率が高い銀行ほど融資を受けやすいのですか?
預貸率が高い金融機関ほど、 金融機関全体として貸出への資金配分に積極的な傾向はあります。 ただし、個別企業の融資可否は、事業計画、返済可能性、 自己資金、信用情報、業種、既存取引等によって判断されます。 預貸率が高いことだけで、審査に通りやすいとは断定できません。
預貸率は支店ごとの数字ですか?
いいえ。本記事に掲載している預貸率は、 原則として金融機関全体の数値です。 個別支店の融資姿勢や支店ごとの貸出残高を示すものではありません。
創業前で口座がなくても金融機関へ相談できますか?
創業前でも、創業融資や事業計画について相談できる金融機関があります。 ただし、相談受付の方法や担当窓口は金融機関・支店によって異なるため、 来店前に電話または公式サイトで確認してください。
ネット銀行しか持っていない場合はどうすればよいですか?
ネット銀行を日常の決済口座として利用しながら、 創業融資・制度融資の相談先として地域の信用金庫や地方銀行、 日本政策金融公庫を併用する方法があります。 本店所在地・開業予定地から近い対面金融機関を確認し、 創業融資や事業融資の相談窓口へ問い合わせてください。
信用金庫と地方銀行ではどちらが創業者向きですか?
一律には決まりません。 信用金庫は地域の中小企業・個人事業主を主な取引対象とする一方、 地方銀行も創業支援や自治体制度融資を扱っています。 営業地域、相談体制、制度融資の取扱い、 担当者との相性等を含めて比較してください。
町田・相模原で創業融資の相談先を探している方へ
タクスリンク税理士事務所の「まちさがビジネスナビ」では、 本店所在地・開業予定地から近い金融機関や、 町田市・相模原市の制度融資を確認できます。
ぜひ、初めての金融機関選びにお役立てください。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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