消費税は、すべての会社が年1回だけ納付するとは限りません。
前の事業年度の消費税額が一定額を超えると、決算時の確定申告とは別に、期中で中間申告・中間納付が必要になります。
ただし、判定に使う金額は、法人税額でも、地方消費税込みの納付額でもありません。原則として、前期の消費税申告書に記載された国税部分の確定消費税額で判定します。
経営者
消費税は、年1回だけ払えばよいものではないのですか?
途中でも払う会社があると聞いたのですが。
税理士
はい。消費税には中間申告・中間納付という制度があります。
すべての会社が対象になるわけではありませんが、前期の確定消費税額が一定額を超えると、年の途中でも申告と納付が必要になります。
通常の12か月決算の法人であれば、前期の確定消費税額の国税部分が48万円を超えると、中間申告が必要になります。
経営者
48万円を超えると、全員同じ回数で払うのですか?
税理士
いいえ。前期の確定消費税額が大きくなるほど、中間申告の回数が増えます。
前期が通常の12か月事業年度であれば、基本的には次のように整理します。
48万円以下であれば、原則として中間申告はありません。
48万円を超え、400万円以下であれば、年1回の中間申告です。
400万円を超え、4,800万円以下であれば、年3回の中間申告です。
4,800万円を超えると、年11回の中間申告になります。
経営者
前期の消費税が300万円くらいだったら、どうなりますか?
税理士
前期の確定消費税額の国税部分が300万円であれば、48万円超400万円以下ですので、通常は年1回の中間申告になります。
一方、前期の国税部分が1,200万円であれば、400万円超4,800万円以下ですので、年3回です。
前期の国税部分が6,000万円であれば、4,800万円超ですので、年11回になります。
経営者
ここでいう消費税額は、地方消費税も含めた金額ですか?
税理士
ここは間違えやすいところです。
中間申告の回数を判定する基準は、地方消費税を含まない国税部分の確定消費税額です。
たとえば、前期に消費税と地方消費税を合わせて60万円納付したとしても、国税部分が48万円以下であれば、原則として法定の中間申告は不要です。
逆に、地方消費税を除いた国税部分が48万円を超えていれば、中間申告の対象になります。
経営者
新しく会社を設立した場合、1期目から中間申告はありますか?
資本金1,000万円で設立すると、1期目から消費税がかかることがありますよね。
税理士
第1期から消費税の課税事業者になることと、第1期から中間申告が必要になることは別です。
通常の新設法人については、設立日の属する課税期間は、中間申告の対象から除かれています。
そのため、資本金1,000万円以上で設立し、第1期から消費税の課税事業者になっている会社でも、通常は第1期の途中で中間納付するのではなく、第1期末の確定申告で消費税を納付します。
第2期以降は、第1期の確定消費税額をもとに、中間申告が必要かどうかを判定します。
経営者
それなら、第1期の消費税が48万円以下なら、第2期も中間申告は不要ですか?
税理士
前期が12か月であれば、その理解で基本的にはよいです。
ただし、設立第1期が12か月未満の短期決算だった場合は注意が必要です。
通常の表でいう48万円という基準は、前期が12か月ある場合の分かりやすい整理です。
前期が6か月など12か月未満の場合は、前期の確定消費税額をその前期の月数で割って判定します。
たとえば、設立第1期が6か月で、国税部分の確定消費税額が30万円だった場合、単純に「30万円だから48万円以下で中間申告なし」とは判断できません。
短期決算の会社では、前期月数を踏まえた判定が必要です。
経営者
中間申告では、前期の税額をそのまま払うのですか?
税理士
原則的には、前期実績をもとに計算した中間税額を申告・納付します。
通常の12か月決算法人で年1回の中間申告であれば、前期の確定消費税額の6か月分、つまりおおむね6分の1ではなく、前期税額の6か月相当分を計算するイメージです。
年3回であれば3か月ごと、年11回であれば1か月ごとに、前期実績をもとに計算します。
地方消費税についても、これに対応して中間納付します。
経営者
今期の売上がかなり落ちている場合でも、前期の税額をもとに払わないといけないのですか?
税理士
必ず前期実績方式で払わなければならないわけではありません。
中間申告義務がある会社は、仮決算による中間申告を選ぶこともできます。
仮決算とは、中間申告の対象期間について、売上に係る消費税から仕入税額控除を差し引き、その期間の実績で中間税額を計算する方法です。
前期は好調だったが今期は売上が大きく落ちている、という場合には、仮決算方式の方が資金繰り上有利になることがあります。
経営者
仮決算で計算したら、仕入税額控除の方が大きくなりました。その場合、中間申告で還付されますか?
税理士
中間申告の段階では、原則として還付は受けられません。
仮決算による計算で、仕入税額控除が売上に係る消費税額を上回った場合でも、中間納付額は0円となるだけです。
還付がある場合は、確定申告で最終的に精算します。
経営者
簡易課税を選んでいる会社でも、中間申告はありますか?
税理士
あります。
簡易課税制度を適用している会社だからといって、中間申告が不要になるわけではありません。
中間申告が必要かどうかは、原則として前期の確定消費税額で判定します。
また、簡易課税制度を適用している会社が仮決算による中間申告をする場合は、簡易課税制度を使って中間税額を計算する取扱いが示されています。
経営者
中間申告書を出し忘れたら、払わなくてよくなりますか?
税理士
なりません。
法定の中間申告義務があるにもかかわらず、期限までに中間申告書を提出しなかった場合、前期実績方式による中間申告書を提出したものとみなされます。
つまり、申告書を出し忘れても、中間納税義務そのものは消えません。
期限までに納付していなければ、延滞税が発生する可能性もあります。
経営者
中間納付は、税金が余計に増える制度なのですか?
税理士
いいえ。中間納付は、最終的な年間消費税の前払いです。
たとえば、年間の確定消費税額が500万円で、中間納付を200万円していた場合、確定申告時には500万円から中間納付済みの200万円を差し引いて、残り300万円を納付するイメージです。
中間納付額の方が最終的な確定税額より多ければ、確定申告で精算され、還付対象になります。
経営者
前期の消費税が48万円以下でも、途中で払うことはできますか?
税理士
はい。法定の中間申告義務がない場合でも、任意の中間申告制度を利用できる場合があります。
決算時に消費税を一括で納付するのが資金繰り上重い会社では、あえて途中で納付しておくという考え方もあります。
ただし、任意の中間申告を行う場合にも手続や期限がありますので、実際に利用するかは、資金繰りと事務負担を見て判断します。
町田・相模原で消費税の納付予定に不安がある会社へ
消費税の中間申告は、会社の資金繰りに大きく影響します。
特に、前期の消費税額が大きかった会社、設立第1期が短期決算だった会社、業績が急に悪化した会社では、単純に「年1回払えばよい」と考えていると、思わぬ時期に納付が必要になることがあります。
また、中間納付は追加の税金ではありませんが、納付時期を誤ると資金繰りに負担が生じます。
町田・相模原で、消費税の中間申告、納付予定、資金繰りに不安がある会社は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の中間申告の要否、回数、納付額、期限は、前期の確定消費税額、事業年度の月数、課税期間短縮の有無、修正申告や更正の有無などによって異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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