ふるさと納税をしたのに、確定申告書に寄附金控除を入れ忘れてしまった。
この場合でも、すぐに控除を受けられなくなるわけではありません。
すでに確定申告書を提出した後で、ふるさと納税の寄附金控除を入れ忘れたことに気付いた場合は、原則として「更正の請求」により、税額を訂正できる可能性があります。
ここで大事なのは、「修正申告」ではないという点です。
修正申告は、税金を少なく申告していた場合に、税額を増やすための手続です。
一方、ふるさと納税を入れ忘れた結果、本来より所得税を多く納めていた場合は、税額を減らす手続である「更正の請求」を行います。
相談者
ふるさと納税をしたのに、確定申告で入力し忘れてしまいました。
もう控除は受けられませんか?
税理士
すでに確定申告書を提出した後でも、原則として取り戻せる可能性があります。
この場合に行うのは、修正申告ではなく、更正の請求です。
ふるさと納税を寄附金控除に入れ忘れたことで、本来より所得税を多く申告していた場合には、更正の請求により税額の減額を求めます。
相談者
修正申告ではないのですか?
間違えた申告を直すので、修正申告だと思っていました。
税理士
そこは間違えやすいところです。
修正申告は、税金を少なく申告していた場合に、税額を増やすための手続です。
今回のように、ふるさと納税を入れ忘れた結果、本来より税金を多く払っていた場合は、税額を減らす方向の訂正になります。
したがって、原則として更正の請求を行います。
相談者
更正の請求は、いつまでできますか?
税理士
原則として、法定申告期限から5年以内です。
たとえば、2025年分、令和7年分の所得税の法定申告期限は2026年3月16日でした。
そのため、2025年分については、原則として2031年3月16日まで更正の請求が可能と考えられます。
2026年8月時点で、「今年3月に提出した2025年分の確定申告でふるさと納税を入れ忘れていた」と気付いたのであれば、通常はまだ十分対応可能です。
相談者
そもそも確定申告をしていない場合も、更正の請求ですか?
税理士
いいえ。
そもそも確定申告書を提出していない場合は、更正の請求ではありません。
たとえば、給与所得者で本来は確定申告義務がなく、ふるさと納税の控除を受けるために後から申告する場合は、還付申告として確定申告書を提出することになります。
確定申告義務のない方の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
たとえば2025年分であれば、2026年1月1日から2030年12月31日まで提出できます。
相談者
私はワンストップ特例を申請していました。
でも、医療費控除を受けるために確定申告をして、そのときにふるさと納税を入れ忘れました。
税理士
そのケースは特に注意が必要です。
ワンストップ特例を申請していても、その後に医療費控除などのため確定申告をすると、ワンストップ特例は適用されなくなります。
そのため、ワンストップ特例を申請済みの寄附も含めて、その年のふるさと納税をすべて確定申告書に入れる必要があります。
確定申告でふるさと納税を入れ忘れた場合は、原則として更正の請求により訂正することになります。
相談者
ワンストップ特例を出していた分も、全部もう一度申告に入れるのですか?
税理士
はい。
たとえば、A市に2万円、B市に3万円、C市に5万円、合計10万円のふるさと納税をして、3自治体すべてにワンストップ特例を申請していたとします。
その後、医療費控除のために確定申告をした場合、ワンストップ特例は使えなくなります。
したがって、確定申告書には、A市、B市、C市の合計10万円すべてを寄附金控除として入力する必要があります。
ここでふるさと納税を0円のまま申告してしまうと、本来受けられる控除が反映されない可能性があります。
相談者
更正の請求をすれば、必ず所得税が戻ってきますか?
税理士
必ず所得税が戻るとは限りません。
たとえば、住宅ローン控除などにより、すでに所得税額が0円になっている場合があります。
この場合、ふるさと納税の寄附金控除を追加しても、所得税額が変わらないことがあります。
所得税額が変わらない場合、所得税について更正の請求ができないケースがあります。その場合でも、住民税側でふるさと納税の控除が反映できる可能性があるため、住所地の市区町村に確認する必要があります。
相談者
所得税の更正の請求ができないと、住民税の控除も諦めるしかないのですか?
税理士
そうとは限りません。
所得税の更正の請求で税額が変わらない場合でも、住民税のふるさと納税控除について、市区町村側で個別に対応できる可能性があります。
ただし、この部分は自治体ごとの手続確認が必要です。
住宅ローン控除などで所得税が0円になっている方は、税務署だけで完結すると考えず、市区町村にも確認してください。
相談者
更正の請求をするときには、どんな書類が必要ですか?
税理士
通常は、寄附内容を確認できる資料を用意します。
具体的には、各自治体が発行する寄附金受領証明書や、ふるさと納税ポータルサイト等が発行する寄附金控除に関する証明書です。
e-Taxで提出する場合には、証明書データの添付や、マイナポータル連携を使える場合もあります。
ただし、手続方法は利用する申告方法や証明書の形式によって変わりますので、実際に手続する際は国税庁の確定申告書等作成コーナーや税務署の案内を確認してください。
相談者
自分が更正の請求なのか、還付申告なのか、分からなくなってきました。
税理士
最初に確認するのは、「その年分の確定申告書をすでに提出しているか」です。
すでに確定申告書を提出していて、ふるさと納税だけ入れ忘れた場合は、原則として更正の請求です。
そもそも確定申告書を提出しておらず、本来申告義務もない方が、ふるさと納税の控除を受けるために後から申告する場合は、還付申告です。
ワンストップ特例を申請していた方が、その後に確定申告をした場合は、ワンストップ特例が適用されなくなるため、その年のふるさと納税をすべて確定申告に入れる必要があります。
町田・相模原で確定申告やふるさと納税の申告漏れに不安がある方へ
ふるさと納税は、制度自体は広く知られていますが、確定申告との関係ではミスが起こりやすい制度です。
特に、ワンストップ特例を申請した後に医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告をする場合、ワンストップ特例がそのまま有効だと思い込んでしまうケースがあります。
また、住宅ローン控除などにより所得税額が0円になっている場合は、所得税の更正の請求だけでは整理できず、住民税側の確認が必要になることがあります。
町田・相模原で、確定申告、ふるさと納税の控除漏れ、更正の請求、還付申告に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
町田・相模原で税理士をお探しなら、タクスリンク税理士事務所へ
要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の手続は、対象年分、当初申告の有無、ワンストップ特例の利用状況、源泉徴収税額、住宅ローン控除の有無、住民税通知書の内容などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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