常連のお客様との飲み会は、事業に関係する目的があれば、経費として処理できる可能性があります。
ただし、「常連さんだから」という理由だけでは足りません。実態が友人同士の私的な飲み会であれば、会社や事業の経費にはできません。
経営者
常連さんと飲みに行ったのですが、この飲食代は交際費になりますか?
税理士
その常連さんが事業上のお客様で、関係維持、今後の取引、紹介、予約、情報交換などを目的とした飲み会であれば、経費として処理できる可能性があります。
法人であれば、原則として「交際費等」として考えます。個人事業主であれば、接待交際費などの必要経費になるかを検討します。
経営者
常連客なら、だいたい経費にしてよいということですか?
税理士
そこは違います。
税務上大事なのは、相手が常連客かどうかだけではなく、その飲み会が事業とどう関係しているかです。
たとえば、今後の予約、紹介、継続利用、取引条件、店舗運営に関する意見交換など、売上や事業との関係を説明できる飲み会であれば、経費性を説明しやすくなります。
一方で、昔からの友人と個人的に飲んだだけ、家族や友人中心の飲み会だった、事業の話をほとんどしていない、という場合は、私的な飲食費と判断される可能性があります。
経営者
法人の場合は、交際費にすればよいのでしょうか?
税理士
法人の場合、得意先その他事業に関係のある者に対する接待、供応などのための支出は、税法上の「交際費等」に該当します。
ただし、勘定科目を「交際費」にしただけで認められるわけではありません。
誰と、何の目的で、いくら使ったのかを説明できることが必要です。特に常連客との飲み会は、事業上の接待なのか、個人的な交友なのかが曖昧になりやすいため、記録を残すことが重要です。
経営者
1人1万円以下なら交際費にならないと聞いたことがあります。
税理士
法人の場合、社外の得意先などとの飲食費については、一定の要件を満たすと、税法上の「交際費等」から除外される制度があります。
この基準は、令和6年4月1日以後の支出から、従来の1人当たり5,000円以下から、1人当たり1万円以下に引き上げられています。
ただし、単に領収書を保存するだけでは足りません。飲食年月日、参加した得意先等の氏名・名称、関係、参加人数、金額、飲食店の名称・所在地などを記録して保存する必要があります。
経営者
1万円以下なら、何でも大丈夫ということですか?
税理士
いいえ。
1万円以下の飲食費の制度は、法人税上の「交際費等」から除外できるかという話です。
そもそも事業と関係のない私的な飲み会であれば、1万円以下であっても会社の損金にはできません。
また、個人事業主の場合は、この法人税上の1万円基準をそのまま当てはめるのではなく、所得税法上、業務に直接必要な費用か、家事費・家事関連費に当たらないかを判断します。
経営者
個人事業主の場合は、どう考えればよいですか?
税理士
個人事業主の場合は、その支出が収入を得るために直接必要な費用か、業務について生じた費用かを見ます。
常連客との関係維持、紹介、継続利用、商談、情報交換など、事業との関係が明確であれば、必要経費になる可能性があります。
一方で、個人的な友人関係が主である飲み会や、家族・友人が同席している部分は、家事費または家事関連費として、必要経費にできない可能性があります。
経営者
領収書だけ保存しておけばよいですか?
税理士
領収書だけでは弱いです。
常連客との飲み会は、税務調査で「事業上の接待なのか、私的な飲み会なのか」を確認されやすい支出です。
領収書の裏面や経費精算書に、少なくとも次のような記録を残してください。
「令和○年○月○日、〇〇様ほか○名、店舗の常連顧客との関係維持・今後の予約および紹介に関する情報交換」
このように、参加者、相手との関係、目的、人数、金額を残しておくことが重要です。
経営者
逆に、経費にしない方がよいケースはありますか?
税理士
あります。
たとえば、相手が実際には事業上の顧客ではなく個人的な友人である場合、家族や友人が中心の飲み会である場合、事業の話がほとんどなく単なる懇親で終わっている場合、同じ相手との飲み会が頻繁で金額も大きい場合は注意が必要です。
また、事業規模に比べて飲食費が過大な場合も、経費性を疑われやすくなります。
経営者
では、常連さんとの飲み会を経費にするなら、何を残せばよいですか?
税理士
最低限、次の内容を残してください。
参加者の氏名または名称、相手との関係、飲み会の目的、参加人数、総額、1人当たりの金額、飲食店名、飲食年月日です。
特に法人で1人1万円以下の社外飲食費として交際費等から除外する場合は、所定事項の記録・保存が必要です。
常連さんとの関係性が事業にどう結びつくのかまで残しておくと、後から説明しやすくなります。
要点
主な根拠
常連客との飲食代は、経費になるかどうかの境目が曖昧になりやすい支出です。
「誰と飲んだか」だけでなく、「なぜ事業に必要だったのか」を説明できる形で記録を残すことが大切です。
町田・相模原で、経費処理や税務判断を税理士に確認しながら進めたい方は、タクスリンク税理士事務所へご相談ください。
※本記事は、一般的な税務上の考え方を解説したものです。実際の処理は、法人・個人事業主の別、飲み会の目的、参加者、金額、頻度、保存資料などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。




