タワーマンションの固定資産税、結局いくらになる?階層で税額が変わる仕組みと勘違いしやすいポイント

タワーマンションの購入を検討していると、「固定資産税って結局いくらかかるんだろう」「高層階は税金も高くなるって本当?」と、モヤモヤした疑問が残ったまま話が進んでしまうことはありませんか。
ネットで調べても「節税になる」という情報と「増税になる」という情報が入り混じっていて、余計に混乱してしまった方もいらっしゃるかもしれません。

実はこの疑問、固定資産税の階層別補正の仕組みと相続税の節税スキームという、本来は別々の話が一緒くたに語られていることが原因なんです。
今日はこの2つをきちんと切り分けながら、タワマンの固定資産税がどう決まるのか整理していきます。

なぜ「タワマンの固定資産税は複雑」と言われるのか

もともとマンションの固定資産税は、建物全体の評価額を出したうえで、各住戸の床面積に応じて按分する仕組みでした。
つまり同じ床面積であれば、1階でも40階でも税額は同じだったんですね。

ところが実際の売買価格を見ると、日当たりや眺望のよい高層階ほど高値で取引されるのが一般的です。
「価格は違うのに税額は同じ」という状態に不公平感があるとされ、2017年度(平成29年度)の税制改正で「階層別専有床面積補正率」という仕組みが導入されました(専有床面積:登記上の各住戸の床面積のこと)。

対象となるのは、高さ60mを超え、複数の階に住戸がある居住用の建築物で、2017年1月2日以降に新築されたもの(2018年度分以降の課税から適用)に限られます。
2017年3月31日までに売買契約が結ばれていた住戸は対象外とされていますし、それより前に建てられた既存のタワーマンションにはこの補正はかかりません。
「うちのマンションも対象?」と気になった方は、まず新築時期を確認してみるとよいでしょう。

階層別補正率の計算方法と具体例

補正率の考え方はシンプルで、1階を100として、階が1つ上がるごとに10÷39を加算していきます。
式にすると次のとおりです。

階層別専有床面積補正率(%)=100+10/39×(階数-1)

この式に当てはめると、10階で約102%、20階で約104%、40階になると110%です。
つまり同じ床面積の住戸でも、40階の税額は1階よりおよそ10%高くなる計算になります。

ここで誤解しやすいのが、「高層階の税金が上がった分、マンション全体の税額も増える」と思われがちな点です。
実際にはマンション1棟あたりの税額の合計は変わりません。
高層階の税負担が増える一方、低層階は補正によって軽くなる、いわば「再分配」の仕組みなんですね。

「タワマン節税」との混同に要注意

タワマンといえば「相続税の節税に使われる」という話を聞いたことがある方も多いと思います。
ただし、これは今回の固定資産税の補正とは全く別の話です。

相続税の節税は、マンションの相続税評価額が実勢価格より低くなりやすいことを利用するもので、区分所有補正率(築年数・総階数・所在階などから評価額と市場価格の差を調整する仕組み)という、今回の固定資産税の補正とは別の制度が関わってきます。
2024年1月からはこの評価額と時価の乖離を是正する改正が入り、以前のような大きな節税効果は期待しにくくなっているのが実情です。
相続税対策として不動産を検討している場合は、相続税の節税、何から始める?今のうちにできる対策と落とし穴で基本の考え方を確認しておくと、思わぬ見落としを防げます。

一方、固定資産税そのものについては、住宅用地(200㎡以下の部分)の税額が6分の1になる特例があり、マンションの場合はほぼ全戸がこの優遇を受けられます。
今回の階層別補正は、この特例を前提とした「按分の見直し」であって、税額そのものを大きく増減させる制度ではないと考えておくと整理しやすいでしょう。

購入前・所有中に確認しておきたいこと

高層階を検討している場合は、想定より固定資産税がやや高めに出る可能性を織り込んでおくと安心です。
逆に低層階であれば、同じ専有面積の他物件より税額が軽くなるケースもあります。

また、節税効果だけを目的にタワーマンションを購入するのはおすすめできません。
相続直前の購入・相続直後の売却など行き過ぎた節税策は税務署に否認されるリスクがありますし、市場価格が下落すれば評価額以上に資産価値が目減りすることもあります。
マンション投資全体の節税効果や注意点はマンション投資は本当に節税になる?仕組みと落とし穴をやさしく解説でも整理していますので、あわせて確認してみてください。

不動産にまつわる節税は制度が複雑で、思い込みのまま進めると損をすることもあります。
不動産の節税、結局どれが自分に当てはまるのかも参考にしながら、ご自身の状況に合った判断をしていただければと思います。

まとめ

タワーマンションの固定資産税は、2017年度以降の新築物件に限り階層別補正がかかり、高層階ほど負担が増える仕組みになっています。
ただしマンション全体の税額は変わらず、相続税の節税スキームとは別の話だという点を押さえておけば、余計な不安に振り回されずに判断できるはずです。

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末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。