社員割引は給与課税?70%基準・自社サービス・役員限定の注意点を税理士が解説

社員割引は給与課税?

従業員向けの福利厚生として、

「自社の商品を社員価格で販売したい」

「自社サービスを社員なら安く利用できるようにしたい」

という制度を設ける会社があります。

例えば、一般のお客様には1万円で販売している商品を、社員には7,000円で販売すれば、従業員は通常価格との差額3,000円分だけ有利に商品を購入できます。

税務上、このように勤務先から受ける利益は「経済的利益」として、原則として給与課税の対象になり得ます。

ただし、自社の商品・製品等については、一定の要件を満たす社員割引であれば、値引きによる利益を給与課税しなくて差し支えない取扱いがあります。

また、ここで非常に重要なのが、

自社の「商品・製品等」を値引販売する場合

と、

自社の「サービス・用役」を安く提供する場合

では、適用される税務上のルールが異なることです。

商品について有名な「通常販売価格のおおむね70%以上」という基準を、そのまま自社サービスにも当てはめることはできません。

社員割引は原則として「経済的利益」になる

自社商品の社員割引は「70%以上」だけでは足りない

| 確認項目 | 要件 |
|—|—|
| 社員販売価格 | 会社の取得価額以上であること |
| 通常販売価格との比較 | 通常他に販売する価額のおおむね70%未満ではないこと |
| 値引率 | 役員・従業員について一律、または地位・勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスがあること |
| 購入数量 | 一般消費者が自己の家事のため通常消費すると認められる程度であること |

通常価格1万円なら7,000円で売れば必ず非課税?

「通常販売価格」の70%とは、定価の70%?

セール価格・会員価格・クーポン価格がある場合は?

70%を下回ったら、超えた部分だけ給与課税?

社員割引は全従業員を完全に同じ値引率にしないとダメ?

全員が実際に社員割引を利用しないとダメ?

一部の社員だけ対象にする社員割引は?

役員だけ社員価格を大幅に安くしてもよい?

社員価格で大量購入しても非課税?

自動車や高級品でも70%以上なら大丈夫?

食事の社員割引にも70%基準を使える?

自社サービスの社員割引には「70%基準」がない

自社サービスを無料で提供しても給与課税されないことがある?

サービスも全従業員に完全同一でなければダメ?

役員だけ自社サービスを無料にしたら?

サービスの「著しく多額」は何円から?

外部のホテルやスポーツジムの社員割引も同じ?

現金で社員割引相当額を返した場合は?

社員割引に福利厚生ポイントを重ねたら?

社員割引規程は必要?

社員割引が給与課税されたら源泉徴収も必要?

社員割引制度を作るときは何を確認する?

町田・相模原で社員割引・福利厚生制度の給与課税にお悩みの方へ

会社の商品やサービスを従業員へ安く販売・提供した場合、その値引きによる利益は原則として給与所得となり得ます。

ただし、自社の商品・製品等については、社員販売価格が会社の取得価額以上で、かつ通常販売価格のおおむね70%以上であること、値引率が全体として合理的であること、購入数量が通常家庭で消費する程度であることなどの要件を満たせば、給与課税しなくて差し支えない取扱いがあります。

一方、自社サービスについては、商品のような「通常料金の70%以上」という基準はありません。

会社が自ら営む事業に属するサービスを無償または低額で提供する場合には、経済的利益が著しく多額でないか、役員だけを対象とする制度になっていないかなどを確認します。

また、社員割引について「30%引きまでなら必ず非課税」という一律の非課税枠があるわけではありません。

タクスリンク税理士事務所では、町田・相模原を中心に東京都・神奈川県の中小企業・個人事業主について、社員割引、福利厚生制度、現物給与、源泉所得税などの税務相談に対応しています。

社員割引制度を導入する場合は、実際に運用を始める前に、商品・サービスの区分、通常販売価格、取得価額、社員価格、対象者、購入上限等を整理し、継続して同じ基準で運用できる制度を作っておくことをおすすめします。

※本記事は、2026年9月現在の所得税法、所得税基本通達および国税庁公表資料に基づき、自社の商品・製品・サービスを役員・従業員へ値引販売・低額提供する場合の一般的な源泉所得税上の取扱いを解説したものです。実際の課税関係は、商品の取得価額、通常販売価格、一般顧客への実際の値引販売状況、社員販売価格、対象者、購入数量、サービスの通常料金、利用回数、1人当たりの経済的利益額等によって異なります。特に通常販売価格の判定、70%を下回る商品販売、役員限定の制度、高額な商品・サービスについては個別に確認する必要があります。

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末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。