元金据置期間とは
元金据置期間とは、融資を受けた後、元本返済を行わず、利息のみを支払う期間のことをいいます。
元金据置期間は、創業融資、通常融資を問わず、融資全般に広く認められており、銀行で融資を申し込むと、ほとんどの場合、元金据置期間の希望の有無を確認されます。
たとえば、日本政策金融公庫の借入申込書には、元金据置期間の希望の有無を記載する欄が設けられています。
なお、それぞれの融資制度には、個別に元金据置期間の上限が定められており、その範囲内で希望することとなります。
元金据置期間の効果
元金据置期間のメリット
元金据置期間を設けると、融資実行後から一定期間、支払いが利息のみとなります。
多くの場合、資金需要が最も大きいのは、融資を受けた直後です。
このため、融資を受けた後、しばらくの間、元金返済を据え置くことで、資金繰りに余裕が生じます。
元金据置期間のデメリット
元金据置期間を設けると、元金返済開始後に毎月支払う毎月の元金返済額が大きくなります。
元金据置期間は、返済期間に加えて認められるものではなく、返済期間の中で認められるものです。
したがって、もし、5年の返済期間の融資につき6ヶ月の元金据置期間を設けた場合には、
60ヶ月-6ヶ月=54ヶ月 |
で、元金を返済することとなります。
たとえば、500万円を返済期間6年で借りるとします。
この例で6ヶ月の元金据置期間を設けて借りた場合と元金据置期間を設けずに借りた場合とで、毎月の元金返済額を比較すると、
- 元金据置期間6ヶ月→500万÷54ヶ月=92,592円
- 元金据置期間なし→500万÷60ヶ月=83,333円
となります。
創業したばかりの会社にとって、毎月10,000円のキャッシュアウトの差は意外と大きいものです。
元金据置期間を設けるのか、設けるとすれば何ヶ月とするのか、融資を受けた後の資金繰りを踏まえてしっかり吟味しましょう。
また、元金据置期間中には、元金の額が返済により減少しないため、元金据置期間を設けると、返済期間全体で支払う利息の額が大きくなります。
さらに、元金据置期間中には、その融資を受けている銀行から、新規の融資を受けることはできません。
この場合には、一度その融資を返済し、改めて新規の融資を申し込む(借換)か、元金据置期間を経過し、元金返済が開始してから融資を申し込むかを選択することとなります。
ポイント ・元金据置期間とは、融資を受けた後、元本返済を行わず、利息のみを支払う期間のことをいう。 ・元金据置期間は、返済期間に加えて認められるものではなく、返済期間内で認められるものである。 ・元金据置期間には、メリットとデメリットがあるため、資金繰りを踏まえて要否や希望期間を検討する。 ・元金据置期間内には、その融資を受けている銀行から新規の融資を受けることはできない。 |
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
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