レシートと領収書を両方受け取った場合、「領収書の方を残せばよい」と考えている方は少なくありません。
しかし、税務上は「レシートより領収書の方が正式」という単純な話ではありません。むしろ、商品名、利用内容、税率、消費税額、インボイス登録番号などが詳しく記載されているレシートの方が、実務上は安全なことも多いです。
経営者
お店でレシートと領収書を両方もらった場合、どちらを保存すればいいですか?
税理士
基本的には、レシートまたは領収書のうち、取引内容を十分に確認できる方を保存すれば大丈夫です。
同じ取引について、必ずレシートと領収書の両方を保存しなければならない、というわけではありません。
経営者
領収書の方が正式な書類、というイメージがあります。レシートだけでも問題ないのですか?
税理士
レシートだから証拠にならない、ということはありません。
むしろ、領収書に「お品代」とだけ書かれている場合より、商品名や利用内容が具体的に分かるレシートの方が、何に使った支出なのかを説明しやすいです。
税務上重要なのは、書類の名前が「領収書」か「レシート」かではなく、取引日、取引先、金額、内容、事業との関係を確認できるかどうかです。
経営者
では、基本的にはレシートを残した方がよいということですか?
税理士
はい。一般的には、明細の分かるレシートを優先して保存する方が安全です。
レシートには、購入した商品名、利用内容、日付、金額、税率、消費税額、インボイス登録番号などが記載されていることがあります。
一方、領収書には「品代」「飲食代」など、抽象的な記載しかないこともあります。その場合、領収書だけでは、何を買ったのか、事業に関係する支出なのかを説明しにくくなります。
経営者
逆に、領収書を保存した方がよい場合はありますか?
税理士
あります。
たとえば、領収書に会社名や屋号などの支払者名が記載されていて、レシートには購入明細が記載されている場合です。
このように、領収書とレシートの記載内容が互いに補完し合っている場合は、両方保存してください。
高額な取引、交際費、贈答品、家事関連費に近い支出など、あとで業務関連性の説明が必要になりそうなものも、両方保存する方が安全です。
経営者
消費税のインボイス制度では、レシートと領収書のどちらを見ればよいですか?
税理士
消費税では、「レシート」か「領収書」かという名称ではなく、必要事項が記載されているかで判断します。
仕入税額控除を受けるには、原則として、一定事項を記載した帳簿と、適格請求書または適格簡易請求書などの保存が必要です。
小売店、飲食店、タクシーなどのレシートは、要件を満たせば適格簡易請求書として保存できます。
経営者
領収書にはインボイス登録番号がなく、レシートには登録番号がある場合はどうしますか?
税理士
その場合は、レシートを保存してください。
消費税の仕入税額控除を考えると、インボイス登録番号、税率ごとの金額、消費税額などが記載されている書類が重要です。
領収書に宛名が書いてあっても、インボイスとして必要な情報が不足している場合、消費税の控除資料としては不十分になることがあります。
経営者
クレジットカード明細があれば、レシートは捨ててもよいですか?
税理士
クレジットカード明細だけでは不十分なことがあります。
カード明細からは、利用日、利用先、金額は分かっても、購入内容や税率、インボイス登録番号までは分からないことがあります。
そのため、カード払いであっても、店舗が発行したレシートや領収書を保存する方が安全です。
経営者
紙のレシートは時間が経つと薄くなりますよね。スキャンして紙は捨ててもよいですか?
税理士
感熱紙のレシートは薄くなることがあるため、早めにスキャンしておくこと自体は望ましいです。
ただし、紙の原本を廃棄する場合には、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たしているかを確認する必要があります。
単にスマートフォンで撮影したから、もう紙を捨ててよい、という判断は危険です。
経営者
メールや通販サイトからダウンロードした領収書は、印刷して保存すればよいですか?
税理士
メール添付のPDF、通販サイトからダウンロードした領収書、アプリ内の利用明細など、電子的に受け取った取引情報は、原則として電子データのまま保存する必要があります。
印刷した紙だけを保存して、元の電子データを削除してしまうと、電子取引データの保存として不十分になる可能性があります。
経営者
結局、実務ではどう運用すればよいですか?
税理士
基本方針はシンプルです。
まず、明細の分かるレシートを保存します。
領収書に支払者名があり、レシートに購入明細があるなど、両方を合わせて内容が分かる場合は両方保存します。
高額支出、交際費、贈答品、家事関連費に近い支出は、相手先、参加者、目的なども記録します。
電子で受け取った領収書や利用明細は、電子データのまま保存します。
税理士
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タクスリンク税理士事務所では、起業直後の方や小規模事業者の方にも分かりやすい形で、日々の経理資料の残し方からサポートしています。
要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを説明したものです。実際の処理は、法人・個人事業主の区分、消費税の課税方式、取引内容、書類の記載内容、電子保存の方法などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。




