「マンションを買うと節税になる」——そんな話を耳にして検索してみたものの、記事によって言っていることがバラバラで結局よく分からなかった、という方は多いのではないでしょうか。
相続対策の話なのか、投資の話なのか、それとも固定資産税の話なのか。
同じ「マンション節税」という言葉でも、指している中身は記事ごとに違います。
このページでは、マンションが節税につながる仕組みを税目別に整理し、どこにメリットがあってどこに注意が必要なのかを一つずつ確認していきます。
なぜ「マンション節税」は分かりにくいのか
検索してみると、「相続税が減る」という記事もあれば、「所得税が戻ってくる」という記事もあり、「固定資産税が安くなる」という記事もあります。
これらはすべて別々の税金の話であり、同じ物件でも節税効果が出る税目と出ない税目があるというのが、分かりにくさの正体です。
たとえば自分で住むための分譲マンションと、人に貸す投資用マンションでは、効いてくる仕組みがまったく違います。
前者は主に固定資産税や相続税、後者は所得税の節税と結びつきやすい傾向があります。
まず「自分はどの目的でマンションの節税を調べているのか」を整理しておくと、この先の話が理解しやすくなります。
マンション節税の仕組みを税目別に整理する
相続税:現金より評価額が低くなる
相続税の計算では、不動産は実際の取引価格そのままでは評価されません。
土地は公示地価の8割程度とされる路線価、建物は時価の5割程度とされる固定資産税評価額をもとに評価するため、同じ金額を現金で持つより不動産で持つ方が、相続税の課税対象額は低く抑えられる傾向があります。
賃貸に出している物件であれば、借家権割合が適用されてさらに評価額が下がります。
加えて、一定の要件を満たす宅地には評価額を最大80%減額できる小規模宅地等の特例もあり、要件次第では相続税額が大きく変わることもあります。
相続税の節税については、マンションに限らない考え方や落とし穴も含めて別の記事で詳しく整理しています。
なお、高層階ほど評価額と実勢価格の差が大きくなりやすいタワーマンションは、この仕組みが特に注目されてきた物件タイプです。
ただし令和6年1月以降は評価方法が見直され、以前ほど単純な差は出にくくなっています。
タワマン節税の最新の考え方は別記事で解説していますので、タワーマンションを検討している方はあわせてご確認ください。
所得税:減価償却と経費で課税所得を圧縮する
投資用マンションを賃貸経営する場合は、建物の価値の目減りを費用として計上する減価償却費や、管理費・修繕費・保険料などの必要経費を家賃収入から差し引くことができます。
差し引いた結果が赤字になれば、給与所得など他の所得と相殺する損益通算という仕組みで、課税所得そのものを圧縮できます。
この効果は、もともとの所得税率が高い人ほど大きく出やすいという特徴があります。
逆に言えば、節税効果だけを目的に無理な物件を選ぶと、肝心の家賃収入が伸びず赤字経営そのものが本業になってしまうリスクもあります。
減価償却の考え方や投資用マンション特有の注意点はマンション投資の節税でさらに詳しく取り上げています。
固定資産税:住宅用地の特例で税額が下がる
居住用のマンションが建つ土地には、小規模住宅用地の特例が適用され、課税標準額が本来の6分の1に軽減される仕組みがあります。
新築マンションであれば、建物部分についても一定期間の減額措置が用意されていることがあります。
こちらは相続や投資といった目的にかかわらず、居住用のマンションであれば基本的に恩恵を受けられる仕組みです。
制度の詳細や見落としがちな軽減措置については固定資産税の節税でまとめています。
つまずきやすいポイント・よくある誤解
「節税額」と「実際の得」は別物です。
相続税評価額が下がっても、物件の管理費や修繕積立金、ローン返済といったランニングコストは節税とは無関係にずっとかかり続けます。
節税額だけを見て判断すると、トータルでは損をしていたということも起こり得ます。
空室・赤字が続くと節税どころではなくなります。
所得税の節税は赤字を前提にした仕組みですが、赤字自体は経営としてはマイナスです。
収益性を無視して物件を選ぶと、節税効果より先に資産価値の低下や空室リスクの方が重くのしかかってきます。
相続直前の駆け込み購入には制限があります。
相続開始前3年以内に取得した不動産には、小規模宅地等の特例などが使えないケースがあります。
「相続が近そうだから今すぐ」という判断は、期待した節税効果が得られない可能性があるため注意が必要です。
行き過ぎた対策は税務署に否認されることがあります。
相続税評価額と実勢価格の差があまりに極端な場合、税務当局から個別に評価を見直されるケースが実際にあります。
制度の範囲内でどこまでの対策が妥当か迷う場合は、税理士に相談してから進める方が安心です。
まとめ
マンション節税とひとくちに言っても、相続税・所得税・固定資産税では効く仕組みも注意点もまったく異なります。
自分がどの目的でマンションの節税を考えているのかを整理したうえで、それぞれの仕組みと落とし穴をセットで理解しておくことが、後悔しない判断につながります。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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