個人事業主になると、会社員時代とは違い、自分で税金の種類と支払時期を把握しておく必要があります。
特に注意したいのは、確定申告で所得税を払えば、その年の税金がすべて終わるわけではないという点です。
個人事業主がまず押さえておきたい主な税金は、次の4つです。
| 税金 | どんな場合にかかるか | 主な支払時期 |
|---|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 事業の利益などに対してかかる税金 | 翌年3月15日頃 |
| 住民税 | 前年の所得に応じてかかる税金 | 翌年6月・8月・10月・翌年1月頃 |
| 個人事業税 | 法定業種に該当し、一定の所得がある場合にかかる税金 | 翌年8月・11月頃 |
| 消費税・地方消費税 | 消費税の課税事業者となる場合にかかる税金 | 翌年3月31日頃 |
個人事業主
個人事業主には、どんな税金がかかるのでしょうか?
いつ、どんな税金を払えばいいのかも知りたいです。
税理士
個人事業主の方がまず押さえておきたい税金は、所得税・復興特別所得税、住民税、個人事業税、消費税・地方消費税の4つです。
もちろん、固定資産税や自動車税など、持っている資産に応じて別の税金がかかることもあります。
ただ、事業の利益や売上に関連して毎年意識すべき税金としては、この4つを中心に考えると分かりやすいです。
個人事業主
確定申告をすれば、税金はそこで全部終わるのですか?
税理士
いいえ。そこが大きな注意点です。
確定申告で主に申告・納付するのは、所得税・復興特別所得税です。
その後、前年の所得をもとに住民税が計算され、通常は翌年6月頃から納付が始まります。
さらに、法定業種に該当し、一定以上の所得がある場合は、個人事業税が翌年8月頃・11月頃にかかることがあります。
つまり、3月に所得税を払って終わりではなく、その後に住民税や個人事業税が来ると考えておく必要があります。
個人事業主
所得税はいつ払うのですか?
税理士
個人事業主の所得税・復興特別所得税は、原則として翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間に申告し、3月15日頃までに納付します。
たとえば令和8年、つまり2026年分の所得税等については、原則として令和9年3月15日が法定納期限とされています。
所得税は、売上そのものにかかるのではなく、売上から必要経費などを差し引いた所得に対してかかります。
個人事業主
予定納税というものも聞いたことがあります。
税理士
前年の所得税額などが一定額以上になると、予定納税が発生することがあります。
予定納税とは、今年分の所得税の一部を、7月と11月に前払いする制度です。
所得税法では、予定納税基準額が15万円以上である場合に、原則として第1期分と第2期分の予定納税を行う仕組みになっています。
たとえば令和8年分については、国税庁の案内上、第1期分の納期限が令和8年7月31日、第2期分が令和8年11月30日とされています。
そのため、利益が大きくなってくると、3月だけでなく、7月・11月にも所得税の資金を用意する必要があります。
個人事業主
住民税はどうやって払うのですか?
税理士
個人事業主の住民税は、前年の所得をもとに市区町村が計算します。
通常は、確定申告の内容が自治体に連携され、翌年6月頃に納税通知書が届きます。
普通徴収の場合、地方税法上は、原則として6月、8月、10月、翌年1月中に、市町村条例で定める納期に納める仕組みです。
実際の納期限は自治体によって異なりますが、感覚としては、3月に所得税を納めた後、6月頃から住民税の支払いが始まると考えておくとよいです。
個人事業主
個人事業税は、全員にかかるのですか?
税理士
いいえ。個人事業税は、すべての個人事業主に必ずかかるわけではありません。
個人事業税は、地方税法で定められた法定業種に該当し、一定の所得がある場合にかかります。
また、個人事業税には原則として年間290万円の事業主控除があります。営業期間が1年未満の場合は月割りになります。
そのため、法定業種に該当しない場合や、個人事業税の計算上の所得が事業主控除の範囲内に収まる場合は、個人事業税が発生しないことがあります。
個人事業主
個人事業税は、いつ払うのですか?
税理士
個人事業税の納期は、原則として8月と11月です。
地方税法では、個人の事業税の納期は8月と11月中に都道府県条例で定めることとされています。
たとえば東京都では、原則として第1期が8月31日、第2期が11月30日と案内されています。
ただし、実際の納期限や通知時期は都道府県によって異なるため、納税通知書が届いたら、そこに記載された期限を確認してください。
個人事業主
消費税は、個人事業主でも払うのですか?
税理士
個人事業主でも、消費税の課税事業者になる場合は、消費税・地方消費税の申告と納付が必要です。
原則として、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であれば免税事業者となります。
ただし、インボイス登録をしている場合や、特定期間の判定などによって、基準期間の課税売上高だけでは判断できないことがあります。
そのため、消費税については、前々年の課税売上高、前年の一定期間の売上や給与、インボイス登録の有無を確認する必要があります。
個人事業主
消費税はいつ払いますか?
税理士
個人事業者の消費税・地方消費税は、通常の課税期間については、原則として翌年3月31日頃までに申告・納付します。
所得税の期限である3月15日頃とは期限が異なります。
たとえば令和8年分の個人事業者の消費税等については、国税庁の案内上、令和9年3月31日が法定納期限とされています。
所得税の支払いと時期が近いため、消費税の課税事業者になっている方は、3月の納税資金を特に注意して準備しておく必要があります。
個人事業主
消費税にも中間納付がありますか?
税理士
あります。
直前の課税期間の確定消費税額が一定額を超える場合、消費税の中間申告・中間納付が必要になることがあります。
中間申告の回数や納期限は、直前の確定消費税額によって変わります。
消費税の納税額が大きくなってきた場合は、翌年3月だけでなく、途中で中間納付が発生する可能性も見込んでおく必要があります。
個人事業主
結局、1年間の税金スケジュールはどのように考えればいいですか?
税理士
大まかには、次のように考えると分かりやすいです。
3月に所得税・復興特別所得税を納付します。消費税の課税事業者であれば、3月末頃に消費税も納付します。
6月頃から住民税の納付が始まります。
7月と11月には、所得税の予定納税が発生することがあります。
8月と11月頃には、個人事業税が発生することがあります。
さらに、消費税の金額が大きい場合には、消費税の中間納付もあります。
そのため、個人事業主は、3月の確定申告だけでなく、年間を通じて納税資金を管理することが重要です。
個人事業主
税金の支払いが後から続くのが不安です。どう準備すればよいですか?
税理士
利益が出ている場合は、早い段階で納税資金を分けておくことをおすすめします。
事業用口座の残高をすべて使ってよいお金と考えてしまうと、翌年3月、6月、8月、11月の納税時期に資金繰りが苦しくなります。
毎月の利益を確認し、所得税、住民税、個人事業税、消費税の概算額を見積もっておくと安心です。
特に、インボイス登録をして消費税の課税事業者になっている方や、前年の利益が大きく予定納税が発生する方は、早めに年間の納税スケジュールを確認してください。
町田・相模原で個人事業主の税金に不安がある方へ
個人事業主の税金は、確定申告で所得税を計算して終わりではありません。
その後に住民税、個人事業税、消費税、予定納税、中間納付が続くことがあります。
特に、創業直後や事業が伸び始めた時期は、売上は増えているのに納税資金を十分に確保できていないということが起こりやすいです。
町田・相模原で個人事業主の確定申告、消費税、インボイス登録、納税スケジュールに不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際にどの税金がかかるか、いつ納付するかは、住所地、業種、年間売上、所得金額、青色申告の有無、インボイス登録の有無、消費税の課税事業者判定などによって異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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