消費税の納付額は経費?還付金は収入?税込・税抜経理を税理士が解説

納付した消費税は経費になる?

インボイス登録をして消費税の課税事業者になった個人事業主の方から、「確定申告で納付した消費税は経費になるのか」というご質問をいただくことがあります。

結論からいうと、税込経理方式を採用している場合、納付する消費税・地方消費税は原則として所得税の必要経費になります。反対に、消費税の還付を受けた場合には、原則として雑収入等に計上します。

一方、税抜経理方式では、通常の消費税の納付・還付は、原則として所得税の必要経費や収入にはなりません。

また、消費税の申告書を翌年に提出する場合、どの年の必要経費・収入に計上するかも重要です。

今回は、税込経理と税抜経理の違い、納付消費税・還付消費税の仕訳、計上時期、簡易課税やインボイスの2割特例・3割特例との関係まで、具体例を交えて解説します。

確定申告で納付した消費税は所得税の経費になる?

税込経理方式と税抜経理方式は何が違う?

項目 税込経理方式 税抜経理方式
売上 消費税込みで計上 消費税を除いて計上
仕入・経費 消費税込みで計上 消費税を除いて計上
納付消費税 原則として租税公課 原則として仮受・仮払消費税等の精算
還付消費税 原則として雑収入等 原則として仮受・仮払消費税等の精算
所得金額への影響 納付・還付が所得計算に反映 通常の精算自体は所得に影響しない

税込経理では納付消費税を「租税公課」に計上する

消費税の還付を受けた場合は売上や収入になる?

還付消費税は消費税の課税売上高に含まれる?

消費税は何年分の経費になる?翌年の申告時と決算時の違い

① 原則:翌年の消費税申告時に経費計上する方法

2026年分の消費税40万円を、2027年3月に申告する例です。

2027年3月・消費税申告書提出時

  • 借方:租税公課 400,000円
  • 貸方:未払金 400,000円

2027年・消費税納付時

  • 借方:未払金 400,000円
  • 貸方:普通預金 400,000円

この場合、400,000円は2027年分の所得税の必要経費になります。

② 例外:2026年の決算時に未払計上する方法

同じ2026年分の消費税40万円を、2026年12月31日の決算に反映する例です。

2026年12月31日・決算時

  • 借方:租税公課 400,000円
  • 貸方:未払金 400,000円

2027年・消費税納付時

  • 借方:未払金 400,000円
  • 貸方:普通預金 400,000円

この場合、400,000円は2026年分の所得税の必要経費になります。

還付消費税も決算時に未収計上できる?

税抜経理の場合、納付消費税や還付消費税はどう処理する?

税抜経理で消費税の還付を受ける場合

税込経理と税抜経理で所得金額は変わる?

還付消費税がある場合の所得金額も比較

簡易課税やインボイスの2割特例を使っていても同じ?

2割特例を適用した場合の具体例

2割特例・3割特例での税抜経理の精算仕訳

2026年の2割特例と2027年・2028年の3割特例はどう違う?

消費税の修正申告をした場合、追加納付額はいつ経費になる?

消費税の中間納付がある場合は?

インボイス登録をしたばかりの人が注意すべき経理処理は?

まとめ:消費税の納付・還付は経理方式と計上時期を確認

町田・相模原で消費税の経理処理や確定申告にお困りの方へ

インボイス登録後の消費税の申告では、納付税額の計算だけでなく、所得税における必要経費の計上や、還付消費税の雑収入処理にも注意が必要です。

特に、税込経理・税抜経理の違い、年末の未払消費税等・未収消費税等の処理、2割特例や簡易課税の精算差額などは、誤りが生じやすい部分です。

町田・相模原で、インボイス登録後の経理処理、消費税の確定申告、納付消費税の必要経費算入、還付消費税の収入計上などにお困りの個人事業主の方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。

町田・相模原で税理士をお探しなら、タクスリンク税理士事務所へ

要点

  • 税込経理方式では、納付消費税・地方消費税は原則として租税公課として必要経費に算入できる。
  • 税込経理方式で還付消費税を受ける場合は、原則として雑収入等として総収入金額に算入する。
  • 還付消費税は、所得税で雑収入となっても、消費税の課税売上高には含まれない。
  • 税抜経理方式では、通常の消費税の納付・還付は仮受・仮払消費税等を精算するため、原則として所得に影響しない。
  • 税込経理方式では、納付消費税・還付消費税は原則として消費税申告書を提出した年に計上する。
  • 申告期限前に消費税額を未払金・未収入金として決算に計上した場合は、その年の必要経費・総収入金額に算入できる。
  • 簡易課税や2割特例・3割特例では、税抜経理でも消費税の精算差額が雑収入・雑損失になる場合がある。
  • 2026年分までの2割特例と、2027年分・2028年分の個人事業者向け3割特例は、適用期間と要件を確認する。
  • 税込経理で修正申告によって追加納付する消費税は、原則として修正申告書を提出した年の必要経費になる。
  • 二重計上や計上漏れを防ぐため、経理方式・消費税の計算方法・計上年分をそれぞれ確認することが重要。

主な根拠

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※本記事は2026年10月26日時点の法令・通達・国税庁公表資料に基づく一般的な解説です。実際の経理処理は、経理方式、消費税の計算方法、インボイス登録日、申告書の提出時期、決算時の未払・未収処理、控除対象外消費税額等の有無によって異なります。また、数値例は説明のために端数処理等を簡略化しています。

Author Profile

末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。