ホームページ制作費は、「ホームページだから広告宣伝費」「金額が高いから必ず減価償却」と一律に決まるものではありません。
会社案内、商品紹介、採用情報、営業時間、アクセス情報などを掲載する一般的な情報発信型ホームページで、独自のプログラム機能がない部分は、広告宣伝目的の費用として広告宣伝費等で当期の費用にできる可能性が高いと考えられます。
一方、予約システム、EC機能、会員管理、顧客データベース連携、自動見積りなど、プログラムとして機能する部分がある場合は、その部分が税務上の「ソフトウエア」に該当し、無形固定資産として資産計上・減価償却が必要になる可能性があります。
この記事では、法人が事業用ホームページを制作した場合を前提に、広告宣伝費で処理できるケースと、ソフトウエアとして減価償却が必要になるケースを整理します。
経営者
ホームページ制作費は広告宣伝費でよいですか?
それとも減価償却が必要ですか?
税理士
ホームページ制作費だからといって、一律に広告宣伝費になるわけでも、一律に減価償却になるわけでもありません。
判断のポイントは、制作したホームページの中身です。
会社案内や商品紹介など、一般的な情報発信を目的としたホームページであれば、広告宣伝費等として費用処理できる可能性が高いです。
一方で、予約、EC、会員管理、自動見積りなどのシステム機能がある場合は、その部分をソフトウエアとして資産計上し、減価償却する必要が出てきます。
経営者
普通の会社案内サイトなら、広告宣伝費でよいということですか?
税理士
一般的には、その方向で検討します。
たとえば、会社概要、事業内容、商品・サービス紹介、料金表、採用情報、問い合わせフォーム、ブログ記事などを掲載する程度のホームページで、独自のプログラム機能がない場合は、広告宣伝や販売促進のための費用として処理しやすいです。
この場合、法人税法上は、販売費、一般管理費その他の費用として、その事業年度の損金になるかを検討します。
経営者
問い合わせフォームがあると、もうソフトウエアになりますか?
税理士
問い合わせフォームがあるだけで、直ちにホームページ全体がソフトウエアになるとは限りません。
一般的な問い合わせフォームや資料請求フォームのように、ホームページに通常付随する程度の機能であれば、広告宣伝目的のホームページの一部として整理できるケースもあります。
ただし、フォームから取得した情報を顧客管理システムと連携する、予約台帳を自動更新する、見積金額を自動計算する、会員データベースを管理するなど、業務処理を行うプログラム部分がある場合は、その部分をソフトウエアとして区分する必要があります。
経営者
どのようなホームページだと、減価償却が必要になりやすいですか?
税理士
典型的には、次のような機能がある場合です。
ECサイト、予約システム、会員登録・ログイン機能、顧客管理機能、在庫管理との連携、業務システムとの連携、自動見積り、自動計算、マイページ機能などです。
このような部分は、単なる広告表示ではなく、プログラムとして機能しているため、税務上のソフトウエアに該当する可能性があります。
法人税法施行令では、ソフトウエアは減価償却資産に含まれる無形固定資産として扱われます。そのため、該当する部分は資産計上し、耐用年数に応じて減価償却することになります。
経営者
ソフトウエアになる場合、何年で償却するのですか?
税理士
一般的な自社利用のソフトウエアであれば、通常は「その他のソフトウエア」として耐用年数5年で償却することが多いです。
ただし、これはホームページ全体を必ず5年償却するという意味ではありません。
広告コンテンツ部分と、プログラムとして機能するシステム部分を区分できる場合は、システム部分をソフトウエアとして資産計上し、広告コンテンツ部分は費用処理を検討します。
経営者
制作会社からの請求書が「ホームページ制作一式100万円」となっています。この場合はどう判断しますか?
税理士
請求書の表記だけでは判断できません。
見積書、仕様書、契約書、制作内容の内訳を確認します。
たとえば、デザイン、文章作成、写真撮影、ページ制作、SEO初期設定などの広告コンテンツ部分と、予約機能、EC機能、会員管理、データベース構築などのシステム開発部分が混在している場合は、合理的に区分できるかを確認します。
一括請求だから全部広告宣伝費、または全部ソフトウエアという処理にすると、実態とずれる可能性があります。
経営者
リニューアル費用の場合も同じですか?
税理士
リニューアルの場合は、何を変えたのかが重要です。
デザイン変更、文章の差し替え、写真の入れ替え、既存ページの修正など、広告内容の更新や現状維持に近いものであれば、費用処理を検討します。
一方で、新たに予約システムを追加した、EC機能を導入した、会員管理機能を作った、既存システムと連携する機能を追加したなど、機能追加や機能向上に当たる部分は、ソフトウエアの資本的支出として処理する可能性があります。
経営者
個人事業主の場合も同じ考え方でよいですか?
税理士
基本的な考え方は近いですが、この記事は法人を前提に説明しています。
個人事業者の場合は、所得税上の必要経費や減価償却資産として確認する必要があります。
ただし、情報発信型ホームページなのか、ソフトウエアとして機能するシステム部分があるのかを確認する、という実務上の見方は同じです。
経営者
結局、何を用意すれば判断できますか?
税理士
制作会社の見積書、請求書、契約書、仕様書、サイトマップ、実際のホームページ画面、機能一覧を確認します。
特に、予約、EC、会員登録、顧客管理、自動計算、既存システムとの連携があるかを確認してください。
単なるホームページ制作費としてではなく、広告コンテンツ部分とシステム開発部分に分けて確認することが重要です。
町田・相模原でホームページ制作費の経理処理に迷った方へ
ホームページ制作費は、金額だけで判断すると誤りやすい支出です。
会社案内サイトなのか、ECサイトなのか、予約システムや会員管理機能があるのかによって、広告宣伝費で処理できる部分と、ソフトウエアとして減価償却が必要な部分が変わります。
町田・相模原で、ホームページ制作費、広告費、システム開発費、クラウドサービス費用の経理処理に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、法人が事業用ホームページを制作した場合の一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の処理は、制作内容、見積書の内訳、ホームページの機能、既存システムとの連携、法人・個人の別などによって異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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