補助金や助成金を受け取った場合、「これは利益になるのか」「税金が増えるのか」「消費税もかかるのか」と不安になることがあります。
結論として、一般的な事業用の補助金・助成金は、法人税・所得税では原則として収益・収入になります。
そのため、補助金・助成金を含めた最終的な所得が増えれば、法人税や所得税が増える可能性があります。
一方で、国や地方公共団体等から受ける一般的な補助金・助成金は、商品販売やサービス提供の対価ではないため、通常、消費税はかかりません。
ここで重要なのは、「法人税・所得税では収入になること」と「消費税がかかること」は別問題という点です。
経営者
補助金や助成金を受け取ったら、利益になって税金が増えるのですか?
消費税もかかりますか?
税理士
一般的な事業用の補助金・助成金は、法人税や所得税では原則として収益・収入になります。
そのため、補助金や助成金を受け取った結果、最終的な所得が増えれば、税金が増える可能性があります。
ただし、受け取った補助金の金額そのものにそのまま税率を掛けるわけではありません。
補助金を含めた収入から、必要経費や損金を差し引いた最終的な所得に対して税金がかかります。
経営者
例えば、100万円の補助金を受け取ったら、100万円にそのまま税金がかかるのですか?
税理士
いいえ。そこは誤解しやすいところです。
例えば、広告宣伝費100万円に対して補助金100万円を受け取った場合、補助金収入100万円だけを見るのではなく、対応する広告宣伝費100万円も含めて所得を計算します。
つまり、補助金を受け取ったからといって、必ず補助金の金額がそのまま利益として残るわけではありません。
実際には、補助金収入と対象経費の両方を会計処理したうえで、最終的な利益がいくら増えたかを見ます。
経営者
では、補助金や助成金は、会計上は売上にするのですか?
税理士
一般的には、通常の本業の売上とは分けて、「雑収入」などで処理することが多いです。
ただし、補助金・助成金の内容によって処理は変わります。
人件費、広告費、外注費、家賃などの経費を補填する補助金であれば、原則として収益に計上します。
一方、機械、設備、建物などの固定資産を取得するための一定の国庫補助金等については、法人であれば圧縮記帳、個人事業者であれば一定の総収入金額不算入の制度を検討できる場合があります。
経営者
圧縮記帳とは何ですか?
税理士
圧縮記帳とは、一定の国庫補助金等を使って固定資産を取得した場合に、補助金収入に対する課税を一定程度繰り延べる制度です。
例えば、設備投資のために補助金を受け取り、その補助金で機械などを購入するケースです。
この場合、要件を満たせば、法人税法上、固定資産の取得価額を圧縮し、その圧縮額を損金算入できる可能性があります。
ただし、すべての補助金で使えるわけではありません。補助金の正式名称、交付要綱、対象経費、取得した資産の内容を確認する必要があります。
経営者
個人事業主の場合も、設備投資の補助金には特別な扱いがありますか?
税理士
個人事業者についても、一定の国庫補助金等を固定資産の取得や改良に充てた場合、要件を満たせば、その補助金額を総収入金額に算入しない制度があります。
ただし、確定申告書への所定事項の記載などが必要になります。
法人と個人事業者で制度の形が異なるため、補助金を受け取った場合は、法人か個人か、何のための補助金かを分けて確認する必要があります。
経営者
消費税はどうなりますか?
補助金にも消費税がかかるのでしょうか?
税理士
一般的な補助金・助成金には、通常、消費税はかかりません。
消費税は、事業者が事業として対価を得て行う商品の販売、資産の貸付け、サービス提供などが課税対象になります。
一方、国や地方公共団体等から受ける一般的な補助金・助成金は、商品やサービスの対価として受け取るものではありません。
そのため、消費税の「課税売上」ではなく、通常は課税対象外、いわゆる不課税取引として扱います。
経営者
「非課税売上」とは違うのですか?
税理士
違います。
補助金・助成金は、実務上「消費税がかからない」と説明されることがありますが、正確には、多くの場合「非課税売上」ではなく「課税対象外」です。
非課税売上は、消費税の課税対象にはなるものの、政策的な理由などで非課税とされている取引です。
これに対して、一般的な補助金・助成金は、そもそも商品やサービスの対価ではないため、消費税の課税対象に入らないという整理になります。
経営者
補助金をもらった年と、実際に入金された年が違う場合はどうなりますか?
税理士
補助金の計上時期は、単純に入金日だけで判断しないことがあります。
補助金・助成金については、交付決定日、金額確定日、入金日などを確認する必要があります。
特に、国庫補助金等については、補助金額確定の通知を受けた時点などで、返還を要しないことが確定したものとして扱う場面があります。
そのため、決算期をまたぐ補助金については、いつ収益計上すべきかを個別に確認する必要があります。
経営者
補助金を受け取ったときに、特に確認すべきことは何ですか?
税理士
最低限、次の点を確認してください。
補助金・助成金の正式名称、交付元、受給者が法人か個人事業者か、何の費用に対して交付されるものか、固定資産の取得を目的とするものか、交付決定日、金額確定日、入金日です。
また、制度固有の非課税措置や特別な会計処理がないかも確認します。
補助金や助成金は名称が似ていても、制度ごとに税務処理が変わることがあります。
経営者
結局、補助金や助成金を受け取ったときは、どう考えればよいですか?
税理士
まず、法人税・所得税では、原則として収益・収入になると考えてください。
ただし、補助金の金額にそのまま税金がかかるのではなく、補助金を含めた収入から経費を差し引いた最終的な所得に対して課税されます。
次に、消費税については、一般的な補助金・助成金は通常、課税対象外です。
そして、設備購入のための補助金であれば、法人では圧縮記帳、個人事業者では総収入金額不算入の制度を検討できる可能性があります。
補助金の正式名称と対象経費が分かれば、具体的な処理を確認できます。
町田・相模原で補助金・助成金の税務処理に不安がある方へ
補助金や助成金は、入金されたときに安心して終わりではありません。
法人税・所得税では収益・収入になるのか、消費税は課税対象外でよいのか、設備投資補助金として圧縮記帳等を検討すべきか、計上時期はいつかを確認する必要があります。
特に、補助金を受け取った期の決算では、処理を誤ると利益や税額が大きく変わることがあります。
町田・相模原で、補助金・助成金を受け取った後の税務処理、決算処理、消費税の判定に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
町田・相模原で税理士をお探しなら、タクスリンク税理士事務所へ
要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の処理は、補助金・助成金の正式名称、交付要綱、受給者、対象経費、交付決定日、金額確定日、入金日、消費税の課税状況などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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