まだ代金を受け取っていない場合、「入金されていないのに売上にしなければならないのか」と不安になることがあります。
結論として、原則は、まだ代金を受け取っていなくても、商品を引き渡した、サービスの提供が完了したなど、売上を計上すべき時期が到来していれば、今期の売上にする必要があります。
つまり、通常は「入金した日」ではなく、「売上が成立した日」で判断します。
たとえば、3月決算の法人が、3月25日に商品を納品し、代金100万円の入金が4月30日になる場合、原則として3月期に売上100万円を計上し、未入金分は売掛金として処理します。
一方で、3月中に先に代金を受け取っていても、商品の引渡しやサービス提供が4月である場合には、3月時点では原則として前受金となり、必ずしも3月の売上にはなりません。
経営者
まだ代金がもらえていなくても、売上にしなければならないのですか?
税理士
はい。原則として、入金されているかどうかだけで売上計上時期を判断するわけではありません。
商品を引き渡した、サービスの提供が完了したなど、売上を計上すべき時期が到来していれば、まだ代金を受け取っていなくても売上にする必要があります。
未入金の部分は、通常「売掛金」として処理します。
経営者
入金されていないのに売上にするのは、少し違和感があります。
税理士
感覚的には分かりにくいところです。
ただ、税務や会計では、基本的に「お金が入った日」ではなく、「取引が成立した日」や「商品・サービスを提供した日」を重視します。
たとえば、3月25日に商品を納品し、4月30日に入金される場合、3月時点で商品は相手に引き渡されています。
この場合、原則として3月の売上として計上し、まだ入金されていない100万円は売掛金として残します。
経営者
では、請求書を出した日で売上にすればよいですか?
税理士
請求書を出した日だけで一律に判断するわけではありません。
商品の販売であれば、出荷日、納品日、着荷日、検収日などのうち、商品の性質や契約内容に照らして合理的な日を売上計上の基準にします。
重要なのは、その基準を合理的に決めて、継続して適用することです。
たとえば、検収条件付きの取引で、相手方の検収が完了して初めて引渡しが完了すると考えられる場合には、単純な発送日だけで判断できないことがあります。
経営者
サービス業の場合はどうなりますか?
税理士
サービス業の場合も、原則として役務の提供が完了した時期を見ます。
たとえば、3月中に業務が完了し、請求書の発行や入金が4月になる場合でも、原則として3月の売上として処理します。
一方で、長期間のコンサルティング、保守契約、サブスクリプション、工事、成果報酬型の業務などは、契約内容や履行状況によって売上を計上する時期が変わることがあります。
このような取引では、契約期間、成果物の納品日、検収条件、業務完了日などを確認する必要があります。
経営者
逆に、先に代金をもらった場合は、その時点で売上になりますか?
税理士
必ずしもそうではありません。
たとえば、3月中に代金を受け取っていても、商品を引き渡すのが4月である場合には、3月時点では原則として売上ではなく「前受金」として処理します。
売上にするかどうかは、入金の有無ではなく、商品を引き渡したか、サービスを提供したか、契約上の履行が完了したかによって判断します。
経営者
個人事業主でも同じですか?
税理士
個人事業主でも、原則として実際に入金された金額だけで判断するわけではありません。
所得税では、その年に「収入すべき金額」を収入金額として考えます。
そのため、年末までに商品を引き渡したりサービス提供が完了したりして、代金を請求できる状態になっている場合には、まだ入金されていなくても、その年の売上として処理するのが原則です。
経営者
個人事業主は現金主義でいいと聞いたことがあります。
税理士
個人事業主には、一定の要件を満たす青色申告の小規模事業者について、現金主義による所得計算の特例があります。
ただし、これは誰でも当然に使えるものではありません。
現金主義の特例を適用するには、一定の要件や手続があります。その特例を適用していない場合には、原則どおり、入金日だけで売上を判断することはできません。
したがって、個人事業主の場合は、現金主義の特例を適用しているかどうかを確認する必要があります。
経営者
決算日前後では、何に注意すればよいですか?
税理士
決算日前後では、「未入金だから翌期の売上にする」という処理は原則としてできません。
決算日までに納品やサービス提供が完了しているのであれば、まだ入金されていなくても、今期の売上として計上し、未入金分は売掛金として残します。
逆に、決算日前に入金されていても、納品やサービス提供が翌期であれば、今期の売上ではなく前受金になることがあります。
決算期をまたぐ取引では、入金日、請求書発行日、納品日、検収日、サービス完了日を分けて確認することが重要です。
経営者
具体的には、どの資料を確認すればよいですか?
税理士
商品販売であれば、注文書、納品書、出荷記録、検収書、請求書、契約書などを確認します。
サービス業であれば、契約書、業務完了報告書、納品物、メールのやり取り、請求書、作業期間の記録などを確認します。
単に「入金がいつか」だけを見るのではなく、いつ商品を引き渡したのか、いつサービス提供が完了したのか、契約上いつ収益を認識すべき状態になったのかを確認します。
町田・相模原で決算前後の売上計上に不安がある方へ
決算日前後の売上計上は、税務調査でも確認されやすいポイントです。
特に、未入金の売上、前受金、検収条件付きの取引、継続的なサービス、工事、成果報酬型の業務では、単純に入金日だけで処理すると、売上の期ずれが生じることがあります。
町田・相模原で、決算前後の売上計上、売掛金、前受金、個人事業主の現金主義特例の適用有無に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
町田・相模原で税理士をお探しなら、タクスリンク税理士事務所へ
要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の処理は、法人・個人の別、契約内容、納品日、検収条件、役務提供の完了時期、現金主義特例の適用有無などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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