日本政策金融公庫の新規開業資金とは

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日本政策金融公庫の創業融資は、ほとんどの場合、新規開業資金または女性、若者/シニア起業家支援資金を利用することとなる

日本政策金融公庫の創業融資というと、一般に、新創業融資制度を指します。

日本政策金融公庫は、会社や事業内容により、多くの融資制度を設けていますが、どの制度を利用しても、原則として担保または保証人を求められます

ただし、多くの起業家は、創業時においては、十分な担保または保証人を有していません。

そこで、これらの融資制度を無担保・無保証で利用するための制度が、新創業融資制度なのです。

具体的には、ほとんどの場合、創業融資は

のいずれかのパターンで利用されています。

これが、創業融資=新創業融資制度(及び制度融資)と説明される所以です。

新規開業資金を利用するか、女性、若者/シニア起業家支援資金を利用するか

新規開業資金と女性、若者/シニア起業家支援資金のどの制度を利用すればよいのかというと、決して難しいことはなく、

  • 女性、若者(35歳未満)、シニア(55歳以上)のいずれかに該当する方→女性、若者/シニア起業家支援資金+新創業融資制度
  • これ以外の方→新規開業資金+新創業融資制度

と判断してしまって差し支えありません。

もっとも、申込みの段階で、自身がどの制度を利用したいのかが明らかでなくても、申込み時または面談時等に、日本政策金融公庫の担当者の方が選んでくれますので、心配は不要です。

新規開業資金利用の要件とは

下表が、日本政策金融公庫のホームページから抜粋した、新規開業資金の概要です。

新規開業資金

創業融資において、新規開業資金が広く利用されている理由は、その要件が非常に緩やかで、利用しやすいという点にあります。

「ご利用いただける方」欄に、「雇用の創出を伴う事業を始める方」という要件がありますが、この要件は、既に具体的な雇用が確定していることを要求するものではなく、創業計画において将来雇用の予定があることで足りるものとされていることから、新規開業資金は、ほとんどの起業家が要件を充足する制度ということができるのです。

新規開業資金と新創業融資制度

新創業融資制度の主な要件は、

  • ① 税務申告を2期終えていない方
  • ② 雇用の創出を伴う事業を始める方
  • ③ 創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方

の全てを充足する方ですので、「雇用の創出を伴う事業を始める方」(以下、「雇用創出要件」)を充足して新規開業資金を利用しようとする起業家は、自動的に①及び②を充足することとなります。

つまり、雇用創出要件を充足して新規開業資金を利用しようとする起業家は、③を充足すれば、新創業融資制度も利用することができるということです。

このため、女性、若者/シニア起業家支援資金の対象外である起業家は、ほとんどの場合、

  • 新創業融資制度+新規開業資金

を利用して創業融資を受けています。

ただし、③の要件を充足しても、あえて新創業融資制度を利用せず、新規開業資金単体で創業融資を受けるという選択もあり得ます。

これは、担保または保証人を提供することで、

  • 融資実行確率を高める
  • 融資実行金額を大きくする
  • 金利を軽減する

ことが見込めるというメリットがあるためです。

新規開業資金及び新創業融資制度利用のハードルは高くありませんが、これらのメリットと、無担保・無保証で創業融資を受けられるというメリットとを天秤に掛け、

  • 新規開業資金単体
  • 新創業融資制度+新規開業資金

のいずれの方法で創業融資を受けるかを検討しましょう。

Author Profile

末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。