借換をすべきタイミングとは

借換とは

借換とは、新しく融資を受け、その資金で既に受けている融資残高を一括返済することをいいます。

複数の銀行から融資を受けていると、しばしば、

「より有利な条件で融資をしますので、現在受けている融資を一本化しませんか。」

などと提案を受けることがありますが、これがまさに借換に当たります。

基本的に他行への借換はNG

銀行は、融資を行い、元本返済とともに受け取る利息を主たる収入源としています。

つまり、借換を行うと、既に融資を行なっている銀行は、この収入源を失ってしまうのです。

既に融資を行なっている銀行からしてみれば、資金繰りが厳しいときには融資を受けたいと頼み込み、より有利な融資を受けられることとなったときには返済したいというのでは、おもしろくないのは当然です。

最悪の場合、この銀行からは今後融資を受けることが困難となってしまうことがあります。

したがって、既に融資を受けている銀行から、今後も融資を受けたいと考えているのであれば、他行への借換は慎むべきです。

他行への借換を行うタイミング

ただし、借換は、借換先の銀行に対しては、有効な交渉カードとして使うことができます

より具体的には、担当者の動きが良くない等、既に融資を受けている銀行との取引をやめたいと考えている場合には、借換は新しい銀行への交渉カードとして積極的に活用できます。

たとえば、新しい銀行に融資を受けたい場合に、

「既に〇〇銀行さんから融資を受けていますが、担当の方が弊社のニーズに合わないため、できれば違う銀行との取引を考えています。」

「もし、御行が融資をしていただけるのであれば、〇〇銀行の融資を返済し、〇〇銀行口座にある預金も御行口座に移したく考えています。」

と提案すれば、より積極的に融資に取り組んでくれるはずです。

借換の手続き

ある銀行から受けている信用保証協会付融資を、他の銀行の信用保証協会付融資で借換える場合には、信用保証協会所定の「借換依頼書」と「借換同意書」とを銀行に提出する必要があります。

借換依頼書

借換同意書

借換依頼書は、会社で記載を行い、借換先の銀行に提出します。

また、借換同意書は、既に融資を受けている銀行に持参し、必要事項の記載及び押印を受けた後、借換先の銀行に提出します。

いずれの用紙も借換先の銀行で交付を受けられ、また、交付後の手続きについての説明もその際に受けられるので、心配は不要です。

ポイント

・既に融資を受けている銀行から、今後も融資を受けたい場合には、他行への借換はしない。

・既に融資を受けている銀行から、今後は融資を受けない場合には、借換は新規取引を行う場合の有効な交渉カードとして利用できる。

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末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。