中小企業経営力強化資金とは
日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金は、2000万円まで創業者が無担保・無保証で融資を受けることのできる制度です。
また、通常、日本政策金融公庫の各支店の決裁枠は、1000万円までですが、中小企業経営力強化資金を利用すると、この決裁枠が2000万円となります。
一般に本店決裁となると、審査が厳しくなるので、1000万円を超える融資を希望する方についてはこの点もメリットとなります。
なお、かつて、金利面においても新創業融資制度よりも優遇されていたことがありましたが、現在では、女性、若者/シニア起業家支援資金を新創業融資制度で利用した場合と利率はほとんど変わらなくなっています。
したがって、新創業融資制度との使い分けは、融資希望金額が1000万円を超える場合には中小企業経営力強化資金、1000万円未満の場合には新創業融資制度と割り切って概ね差し支えありません。
中小企業経営力強化資金を利用するための要件
次のすべてに当てはまる方 1.「経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方」 2.「自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方」 |
まず、中小企業経営力強化資金には、新創業融資制度にあった自己資金要件がありません。
ただし、統計上、日本政策金融公庫が融資を行っているのは、自己資金の2倍~3倍程度となっています。
あくまで、「自己資金がなくても一応審査の俎上には乗る」程度に認識しておくとよいでしょう。
上記のとおり、中小企業経営力強化資金には、1・2と要件がありますが、1はさほど気にすることはありません。
これから始める事業に、何か他社とは違うコンセプトや戦略があればクリア、程度の認識でよいでしょう。
したがって、実質的な要件は2のみとなります。
2の要件にある、認定経営革新等支援機関、通称「認定支援機関」は、税務・金融・企業財務の専門家で、この機関の支援を受けて事業計画書を策定することで、会社に一定の信用が付加され、無担保・無保証で融資を受けることが可能となるのです。
なお、日本政策金融公庫は、今後、認定支援機関の支援を受けた創業者への融資に、より積極的に取り組む方針へと舵を切ったとの情報もあります。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
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