日払い・日雇いアルバイトに給与を支払う場合、「少額だから源泉徴収は不要」「日払いだから丙欄でよい」と考えてしまうことがあります。
しかし、給与を支払う事業者には、原則として源泉徴収義務があります。
また、日払いであることと、税額表の丙欄を使えることは同じではありません。丙欄を使えるかどうかは、給与の支払方法だけでなく、雇用契約期間や継続勤務期間によって判断します。
経営者
日払い・日雇いアルバイトに支払う給与からも、源泉徴収は必要ですか?
税理士
はい。アルバイトであっても、給与を支払う場合は、原則として源泉徴収の確認が必要です。
給与の支払者は、給与を支払う際に所得税を徴収して納付する義務があります。
ただし、実際にいくら源泉徴収するかは、給与所得の源泉徴収税額表のどの欄を使うかによって変わります。
経営者
日払いなら、日額表の丙欄を使えばよいのではないですか?
税理士
「日払いだから丙欄」とは限りません。
丙欄を使えるのは、勤務した日や時間に応じて給与を計算する一定の短期勤務者です。
たとえば、あらかじめ定められた雇用契約期間が2か月以内で、日給や時給により給与を計算するアルバイトなどは、原則として日額表の丙欄を使う対象になります。
また、日々雇い入れられる人についても、同一の勤務先から継続して2か月を超えて給与を受けない場合には、丙欄を使う対象になります。
経営者
3か月契約や6か月契約のアルバイトに、毎日現金で払う場合はどうなりますか?
税理士
その場合、単に毎日支払っているからといって、丙欄を使うのは適切ではありません。
当初から2か月を超える雇用契約である場合は、丙欄の対象から外れる可能性があります。
この場合は、給与の支給方法や、扶養控除等申告書の提出の有無に応じて、日額表や月額表の甲欄・乙欄を検討します。
通常のパート・アルバイトについては、一般社員と同じように、扶養控除等申告書を提出しているかどうかが重要になります。
経営者
最初は1か月だけの予定でしたが、契約を延長して3か月働いてもらうことになりました。この場合も丙欄でよいですか?
税理士
契約延長や再雇用により、継続して2か月を超えることになった場合は注意が必要です。
当初は2か月以内の短期雇用で丙欄を使えるケースでも、継続雇用が2か月を超えた場合には、その2か月を超える部分について丙欄は使えません。
そのため、短期アルバイトを継続して雇う場合は、いつから丙欄を使えなくなるのかを確認する必要があります。
経営者
1か月限定の短期アルバイトで、時給で計算して、月末にまとめて払う場合はどうなりますか?
税理士
そのような場合でも、丙欄を使えることがあります。
あらかじめ定められた雇用契約期間が2か月以内で、勤務した日や時間によって給与を計算している場合には、給与を月末にまとめて支払っていても、各勤務日の給与額ごとに日額表の丙欄を適用し、その税額を合計する取扱いが考えられます。
重要なのは、「支払日が毎日かどうか」だけではありません。
雇用期間が短期か、給与が勤務日数や勤務時間に応じて計算されているか、継続勤務が2か月を超えないかを確認します。
経営者
丙欄の場合、いくらから源泉徴収が必要ですか?
税理士
令和8年分の源泉徴収税額表では、丙欄の場合、その日の社会保険料等控除後の給与額が9,800円未満であれば、源泉徴収税額は0円です。
9,800円以上になると税額が発生します。
たとえば、社会保険料等控除後の1日分の給与が10,000円以上10,100円未満の場合、丙欄の税額は8円です。
過去には「9,300円以下なら0円」といった情報が使われていましたが、令和8年分では税額表が改正されています。必ず支給年分の最新の税額表を確認してください。
経営者
扶養控除等申告書を出してもらっていない場合はどうなりますか?
税理士
通常の継続的なアルバイトで、丙欄の対象ではない場合、扶養控除等申告書を提出しているかどうかで、甲欄・乙欄の判断に影響します。
扶養控除等申告書を提出している勤務先では、原則として甲欄を使います。
一方、提出がない場合や、他の勤務先に扶養控除等申告書を提出している場合には、乙欄を使うことになります。
したがって、短期の日雇いなのか、通常のアルバイトなのか、扶養控除等申告書の提出があるのかをセットで確認する必要があります。
経営者
源泉徴収しなくてよいと思って処理していた場合、何が問題になりますか?
税理士
本来源泉徴収すべき給与から源泉徴収していなかった場合、会社や事業者側に源泉所得税の納付漏れが生じます。
税務調査では、未徴収の源泉所得税の納付を求められるほか、不納付加算税や延滞税が問題になる可能性があります。
特に、短期アルバイトや日払いスタッフが多い事業では、雇用契約期間、勤務実績、支給額、適用した税額表を記録しておくことが重要です。
経営者
実務では何を確認しておけばよいですか?
税理士
最低限、次の点を確認してください。
雇用契約期間が2か月以内か、最初から2か月を超える契約ではないか、契約更新や再雇用で継続勤務が2か月を超えていないか、給与が日給・時給で計算されているか、給与を毎日払うのか月まとめで払うのか、扶養控除等申告書を提出しているか、社会保険料等の本人負担分を給与から控除しているか、です。
これらを確認したうえで、甲欄・乙欄・丙欄のどれを使うかを判断します。
町田・相模原でアルバイト給与の源泉徴収に不安がある方へ
飲食店、美容室、建設業、イベント業、小売業などでは、短期アルバイト、日払いスタッフ、繁忙期だけの臨時スタッフを雇うことがあります。
このとき、「日払いだから源泉徴収なし」「短期だから何もしなくてよい」と処理してしまうと、源泉所得税の納付漏れにつながる可能性があります。
町田・相模原で、アルバイト給与、日払いスタッフ、源泉所得税、年末調整の処理に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な源泉徴収の取扱いを解説したものです。実際の処理は、雇用契約期間、継続勤務期間、給与の支払方法、扶養控除等申告書の提出状況、社会保険料等控除後の給与額により異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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