確定申告の期限を1日過ぎただけでも、青色申告特別控除65万円の適用に影響します。
税金を申告どおり全額納付していても、期限内申告という要件を満たしたことにはなりません。ただし、体調不良が申告不能と直接関係する重傷病などに該当し、個別の期限延長が認められた場合は、結論が変わる可能性があります。
個人事業主
確定申告の期限である3月15日に体調を崩し、翌日にe-Taxで申告しました。
税金は申告どおり全額払っています。青色申告の65万円控除は、そのまま認められますか?
税理士
実際の法定申告期限を1日でも過ぎて提出した場合、原則として65万円控除は認められません。
青色申告特別控除55万円についても期限内申告が要件なので、通常はほかの要件を満たす範囲で、最大10万円控除になります。
個人事業主
1日だけの遅れでも駄目なのですか?
税理士
はい。65万円控除と55万円控除については、遅れた日数の長さではなく、実際の提出期限までに申告したかどうかで判定します。
そのため、1日だけの遅れであっても、原則として期限内申告の要件を満たしません。
ただし、3月15日が土曜日、日曜日などに当たる年もあるため、まずは対象年分の実際の法定申告期限と、e-Taxの受信通知に記録された送信日時を確認してください。
個人事業主
税金は全部払っています。それでも65万円控除は駄目ですか?
税理士
原則として駄目です。
税金を納付したことと、確定申告書を期限までに提出したことは別の要件です。
また、「全額納付」が65万円控除を前提に計算した税額の納付を意味する場合、65万円控除が認められなければ、追加で納める税額が生じる可能性があります。
個人事業主
65万円控除が認められなければ、55万円控除にはできますか?
税理士
通常はできません。
55万円控除についても、確定申告書を提出期限までに提出することが要件です。
したがって、期限後申告の場合は65万円控除だけでなく、55万円控除も原則として適用できず、青色申告の承認が有効でほかの要件を満たしていれば、最大10万円控除を検討することになります。
個人事業主
体調不良で申告できなかった場合でも、同じですか?
税理士
体調不良の内容によっては、個別の期限延長が認められる可能性があります。
国税通則法では、災害その他やむを得ない理由により期限までに申告できない場合、申請により期限を延長できる制度を設けています。
国税庁の通達では、その例として「申告等をする者の重傷病」が挙げられています。
個別期限延長が認められれば、延長後の期限までに行った申告として扱われ、65万円控除が認められる余地があります。
個人事業主
風邪や発熱でも、期限延長は認められますか?
税理士
単に体調が悪かったというだけで、自動的に期限が延長されるわけではありません。
期限延長の対象となるには、病状と申告不能との間に直接の関係が必要です。
たとえば、入院、救急搬送、重い症状による受診などにより、期限当日に申告操作を行うことが現実的にできなかった事情があり、そのことを診断書、受診記録、医療費の領収書などから説明できるかが重要です。
軽い風邪、疲労、発熱などにとどまり、e-Taxによる申告が不可能だったことを客観的に説明できない場合は、期限延長が認められない可能性があります。
個人事業主
すでに翌日に申告してしまいました。今から何を確認すればよいですか?
税理士
まず、次の資料と事実を確認してください。
1つ目は、その年分の実際の法定申告期限と、e-Tax受信通知の送信日時です。
2つ目は、申告書だけでなく、貸借対照表や損益計算書なども期限後に送信したのかという点です。
3つ目は、病名、症状、発症時刻、受診日時、入院や救急搬送の有無、回復した日です。
4つ目は、診断書、受診記録、領収書など、期限当日に申告できなかったことを示す客観資料です。
これらをそろえたうえで、個別期限延長の申請が可能か、速やかに所轄税務署へ相談します。
個人事業主
期限延長を申請すれば、65万円控除は確実に認められますか?
税理士
確実ではありません。
個別期限延長は、申請すれば自動的に認められる制度ではなく、税務署が病状、申告不能との因果関係、証拠資料、申請時期などを個別に審査します。
そのため、期限延長が認められる前提で65万円控除を確定扱いするのではなく、税務署への相談と証拠資料の確認を先に行う必要があります。
要点
本件に直接該当する公表裁決例は確認できなかったため、以下では条文と国税庁通達を主な根拠として示します。
主な根拠
※本記事は一般的な税務上の取扱いを解説したものです。個別期限延長の可否は、病状、申告不能との因果関係、証拠資料、申請時期などによって異なります。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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