法定調書とは、簡単にいうと、会社などが「誰に、何の名目で、いくら支払ったか」を税務署へ報告するための書類の総称です。
代表的なものには、給与の源泉徴収票、税理士・弁護士・司法書士等への報酬に関する支払調書、不動産の使用料等の支払調書などがあります。
「うちは小さい会社だから関係ない」と思われることがありますが、会社の規模だけで提出不要になる制度ではありません。
従業員や役員へ給与を支払っている場合、税理士や弁護士等へ報酬を支払っている場合、事務所や店舗の賃料を支払っている場合などは、小規模な会社でも法定調書の確認が必要です。
経営者
法定調書って何ですか?
小さい会社でも税務署に提出する必要がありますか?
税理士
法定調書とは、会社などが「誰に、何の名目で、いくら支払ったか」を税務署へ報告するための書類です。
大きな会社だけが提出するものではありません。
小さい会社でも、給与、役員報酬、税理士・弁護士等への報酬、不動産賃料など、一定の支払いがある場合は提出対象になることがあります。
経営者
会社が小さいかどうかではなく、何を支払っているかで決まるということですか?
税理士
はい。その理解でよいです。
法定調書は、会社の売上規模や従業員数だけで決まるものではありません。
たとえば、社長1人だけの会社でも、社長に役員報酬を支払っていれば、給与所得の源泉徴収票の確認が必要です。
また、税理士に年間10万円の報酬を支払っている場合は、報酬・料金等の支払調書の提出対象になる可能性があります。
経営者
法定調書には、どんな種類がありますか?
税理士
小規模な会社で関係しやすいものとしては、主に次のようなものがあります。
給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買または貸付けのあっせん手数料の支払調書などです。
ただし、すべての支払いについて個別の法定調書を出すわけではありません。
調書ごとに、提出範囲や金額基準が決められています。
経営者
給与を払っている場合は、必ず税務署に源泉徴収票を提出するのですか?
税理士
給与を支払っている場合、源泉徴収票を作成する必要があります。
ただし、本人に交付する源泉徴収票と、税務署へ提出する源泉徴収票は分けて考える必要があります。
本人への交付は必要ですが、税務署への提出については、一定金額以下であれば省略できる場合があります。
たとえば、年末調整済みの一般従業員については年間給与500万円以下、法人役員については年間給与150万円以下など、一定の条件を満たす場合には、税務署への個別提出を要しないことがあります。
経営者
本人に渡す源泉徴収票と、税務署に出す源泉徴収票は違うのですね。
税理士
そこは非常に重要です。
税務署への提出を省略できるケースでも、本人への源泉徴収票の交付まで不要になるわけではありません。
また、給与については、税務署へ提出する源泉徴収票とは別に、市区町村へ提出する給与支払報告書があります。
「税務署への源泉徴収票」「本人への源泉徴収票」「市区町村への給与支払報告書」は、混同しないようにしてください。
経営者
税理士や弁護士に報酬を払った場合も、法定調書が必要ですか?
税理士
税理士、弁護士、司法書士などへの報酬は、法定調書の確認が必要になりやすい支払いです。
一般的な専門家報酬については、同じ人に対する年間支払額が5万円以下であれば、報酬・料金等の支払調書の提出は不要とされています。
一方、年間支払額が5万円を超える場合は、提出対象になる可能性があります。
源泉徴収の有無だけで判断するのではなく、支払いの内容、相手先、年間支払額を確認する必要があります。
経営者
外注費やデザイン料、原稿料、講演料なども関係しますか?
税理士
関係する場合があります。
所得税法では、原稿料、講演料、デザイン料、税理士・弁護士等の報酬など、一定の報酬・料金について源泉徴収の対象範囲を定めています。
これらの支払いをしている場合は、源泉徴収の要否だけでなく、報酬・料金等の支払調書の提出対象になるかも確認します。
特に、外注費という名前で処理していても、実際の内容がデザイン料、原稿料、講演料などに該当する場合は注意が必要です。
経営者
事務所や店舗の家賃を払っている場合も、法定調書が必要ですか?
税理士
法人が不動産の賃料を支払っている場合も、不動産の使用料等の支払調書の確認が必要です。
また、不動産を購入した場合や、不動産の売買・貸付けに関する仲介手数料を支払った場合も、別の支払調書が関係することがあります。
小さい会社であっても、事務所、店舗、倉庫、駐車場などの契約がある場合は、不動産関係の法定調書を確認しておくべきです。
経営者
法定調書はいつまでに提出するのですか?
税理士
多くの法定調書は、原則として翌年1月31日までに税務署へ提出します。
給与所得の源泉徴収票や、報酬・料金等の支払調書なども、基本的にはこの時期に確認します。
実務上は、年末調整、源泉徴収票、給与支払報告書、法定調書合計表、支払調書をまとめて整理することになります。
経営者
では、小さい会社でも何を確認すればよいですか?
税理士
まず、1年間に誰へ何を支払ったかを整理してください。
具体的には、役員・従業員への給与、税理士・弁護士・司法書士等への報酬、原稿料・デザイン料・講演料、不動産賃料、不動産の購入代金、不動産仲介手数料などです。
そのうえで、支払いの種類ごとに、法定調書の提出対象になるかを判定します。
小規模な会社では、「社長1人だから関係ない」と考えるより、「給与と専門家報酬と不動産関係だけは毎年確認する」と考えた方が安全です。
町田・相模原で法定調書や年末調整に不安がある方へ
法定調書は、会社の規模ではなく、支払いの内容と金額によって提出要否が決まります。
社長1人の会社でも、役員報酬を支払っていれば源泉徴収票の確認が必要です。税理士や司法書士へ報酬を支払っていれば、支払調書の確認が必要になることもあります。
また、給与については、税務署へ提出する源泉徴収票、本人へ交付する源泉徴収票、市区町村へ提出する給与支払報告書を分けて整理する必要があります。
町田・相模原で、年末調整、法定調書、給与支払報告書、税務署への提出書類に不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の提出要否は、支払いの種類、支払先、年間支払額、年末調整の有無、役員・従業員の区分、不動産関係の支払い内容などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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