確定申告を提出した後に、売上、経費、所得控除、税額控除、源泉徴収税額などの間違いに気付くことがあります。
この場合、まず確認すべきなのは、申告期限前か後かです。
申告期限前であれば、正しい確定申告書をもう一度提出する、いわゆる訂正申告で対応するのが基本です。
一方、申告期限後の場合は、訂正すると税金が増えるのか、減るのかで手続が変わります。
税金が増える場合や還付金が減る場合は修正申告、税金が減る場合や還付金が増える場合は更正の請求です。
相談者
確定申告を提出した後に、間違いに気付きました。
こういう場合、どうすればよいですか?
税理士
まずは、申告期限前か後かを確認します。
申告期限前であれば、正しい内容の確定申告書をもう一度提出する対応になります。実務上、いわゆる訂正申告と呼ばれるものです。
申告期限後であれば、訂正によって税金が増えるのか、減るのかで手続が変わります。
相談者
申告期限前なら、もう一度出せばよいのですか?
税理士
はい。所得税の確定申告では、法定申告期限内に同じ人から複数の申告書が提出された場合、原則として最後に提出された申告書をその人の申告書として取り扱うことが、所得税基本通達120-4で示されています。
そのため、申告期限前に間違いに気付いた場合は、正しい内容で確定申告書を再提出するのが基本です。
ただし、還付申告で既に還付処理が進んでいる場合などは、単純な差替えとして扱えないことがあります。
相談者
申告期限を過ぎてから間違いに気付いた場合はどうなりますか?
税理士
申告期限後は、訂正すると税金が増えるのか、減るのかで判断します。
納める税金が増える場合、または還付される税金が減る場合は、修正申告です。
反対に、納める税金が減る場合、または還付される税金が増える場合は、更正の請求です。
相談者
修正申告とは、どういう手続ですか?
税理士
修正申告は、既に提出した申告書について、納付税額が少なかった場合や還付税額が多すぎた場合に、自分から税額を増やす手続です。
たとえば、売上の計上漏れ、経費の入れすぎ、控除の誤りなどにより、本来より税金が少なく申告されていた場合に行います。
修正申告をすると、追加で納める税金が発生します。また、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの期間に応じて、延滞税がかかることがあります。
相談者
修正申告をすると、必ずペナルティがかかりますか?
税理士
必ず同じペナルティがかかるわけではありません。
追加の本税が出る場合、延滞税が発生する可能性があります。
また、税務署の調査後や調査通知後に修正申告をする場合には、過少申告加算税の問題が生じることがあります。
一方で、税務調査の事前通知前に、税務署から指摘される前に自主的に修正申告をした場合には、過少申告加算税がかからない取扱いがあります。
そのため、間違いに気付いたら、早めに対応することが重要です。
相談者
更正の請求とは、どういう手続ですか?
税理士
更正の請求は、既に提出した申告書について、納める税金が多すぎた場合や、還付される税金が少なすぎた場合に、税務署へ税額の減額を求める手続です。
たとえば、経費の入れ忘れ、所得控除の入れ忘れ、源泉徴収税額の入力漏れ、医療費控除や寄附金控除の記載漏れなどで、税金を多く申告していた場合に検討します。
ただし、更正の請求は、申告書を出せば自動的に税金が戻る手続ではありません。
税務署が内容を確認し、請求に理由があると認めた場合に、減額更正や還付が行われます。
相談者
更正の請求は、いつまでできますか?
税理士
原則として、法定申告期限から5年以内です。
たとえば、所得税の確定申告について、申告期限後に税金を多く申告していたことに気付いた場合、原則としてその法定申告期限から5年以内に更正の請求を行います。
5年を過ぎると、原則として更正の請求ができなくなるため、税金が減る間違いに気付いた場合も早めに確認する必要があります。
相談者
訂正申告、修正申告、更正の請求の違いが少し混乱します。
税理士
次のように整理すると分かりやすいです。
申告期限前に間違いに気付いた場合は、正しい申告書をもう一度提出します。これが、いわゆる訂正申告です。
申告期限後に、訂正すると納める税金が増える、または還付金が減る場合は、修正申告です。
申告期限後に、訂正すると納める税金が減る、または還付金が増える場合は、更正の請求です。
つまり、判断の順番は、期限前か期限後か、期限後なら税額が増えるのか減るのかです。
相談者
単純な入力ミスでも、同じように考えればよいですか?
税理士
基本的な考え方は同じです。
ただし、単純な入力ミスなのか、税務判断を伴う誤りなのかで注意度は変わります。
たとえば、源泉徴収税額の入力漏れや医療費の入力漏れであれば、比較的整理しやすいことがあります。
一方で、売上の計上漏れ、経費性が微妙な支出、所得区分、控除や特例の適用可否などが関係する場合は、修正内容によって追加税額や加算税に影響する可能性があります。
税務署から調査通知を受けている場合、多額の税額が変わる場合、売上漏れがある場合は、早めに税理士へ確認した方が安全です。
相談者
結局、最初に何を確認すればよいですか?
税理士
まず、何年分の確定申告かを確認してください。
次に、申告期限前か後かを確認します。
そのうえで、間違いを直すと、納める税金が増えるのか減るのか、還付金が増えるのか減るのかを確認します。
この3点が分かれば、訂正申告、修正申告、更正の請求のどれに進むべきか、おおよそ判断できます。
町田・相模原で確定申告の間違いに気付いた方へ
確定申告の間違いは、放置すると追加納税、延滞税、過少申告加算税などにつながることがあります。
一方で、税金を多く申告していた場合には、更正の請求により税金が戻る可能性もあります。
重要なのは、申告期限、税額の増減、税務署からの連絡の有無を確認し、早めに正しい手続を選ぶことです。
町田・相模原で、確定申告の訂正、修正申告、更正の請求について不安がある方は、タクスリンク税理士事務所にご相談ください。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の手続は、申告年分、申告期限、税額の増減、還付処理の状況、税務署からの調査通知の有無、誤りの内容によって異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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