空調・電気設備・給排水設備は建物と分けて減価償却できる?建物附属設備・構築物を税理士が解説

空調・電気設備・給排水設備は建物と分けて減価償却できる?

店舗や事務所を購入・新築したり、大規模な内装工事を行ったりすると、

「建築工事一式 5,000万円」

「店舗内装工事一式 2,000万円」

など、まとまった金額の請求を受けることがあります。

しかし税務上、その全額を「建物」として同じ耐用年数で減価償却するとは限りません。

工事の内容によって、

建物

建物附属設備

構築物

器具備品

機械装置

などに区分し、それぞれ異なる耐用年数で減価償却することがあります。

特に電気設備、給排水設備、空調設備、エレベーターなどは、建物本体より短い耐用年数になるものが多いため、適正に区分できるかどうかで毎年の減価償却費が大きく変わることがあります。

建物附属設備は建物本体と分けるのが原則

区分 代表例
建物 柱、壁、床、屋根など建物本体
建物附属設備 電気、照明、給排水、衛生、ガス、空調、エレベーター等
構築物 舗装、門、塀、外構設備等
器具備品 独立した家具、什器、一定の照明器具・空調機器等
機械装置 製造・加工その他特定の事業工程に直接使用する一定の設備

なぜ分けると減価償却費が変わる?

代表的な設備 一般的な耐用年数
電気設備(照明設備を含む・蓄電池電源設備以外) 15年
蓄電池電源設備 6年
給排水・衛生設備、ガス設備 15年
冷暖房設備(冷凍機出力22kW以下) 13年
その他の冷暖房・通風・ボイラー設備 15年
エレベーター 17年
エスカレーター 15年
消火・排煙・災害報知設備等 8年
エアカーテン・自動ドア設備 12年

建物附属設備に分けると「節税」になる?

電気設備は建物附属設備になる?

給排水・トイレなどは15年?

エアコンは建物附属設備?器具備品?

エレベーターは建物と分けられる?

駐車場の舗装や門・塀は「構築物」になる?

内装の壁・床・天井も全部分けられる?

どこまで細かく分けてよい?

「店舗工事一式5,000万円」しか請求書に書いていない場合は?

例えば、

工事項目 金額
建築本体工事 3,000万円
電気設備工事 500万円
空調設備工事 500万円
給排水衛生設備工事 300万円
昇降機設備 400万円
外構・舗装工事 300万円
合計 5,000万円

施工会社の内訳書があれば必ずそのまま使える?

中古の店舗・事務所を購入した場合も建物附属設備を分けられる?

建物附属設備なら全部15年にまとめてもよい?

木造店舗でも建物附属設備を必ず分ける?

賃貸店舗の内装工事はもっと注意が必要

賃貸借期間が5年なら内装も5年で償却できる?

内装工事の中に空調や給排水が入っていたら?

既存建物の内装工事は「修繕費」の可能性もある?

2016年以後の建物附属設備・構築物は定額法

節税のために後から工事代金を推定して分けてもよい?

税務調査では何を見られる?

新築・購入・賃貸内装で考え方は少し違う

ケース 主な確認ポイント
新築 建築見積・工事内訳から建物、附属設備、構築物等を区分
中古建物購入 購入価額を合理的な資料に基づき建物本体・附属設備等へ配分
自己所有建物の改装 まず修繕費・資本的支出を判定し、資産部分を区分
賃借建物の内装 附属設備部分を区分し、それ以外の建物造作は原則一つの資産として合理的耐用年数を見積もる

工事をする前に何をお願いしておけばよい?

結局、どこまで区分すればよい?

町田・相模原で店舗・事務所の新築・内装工事を予定している方へ

店舗や事務所の新築・購入・内装工事では、工事費のすべてを「建物」として同じ耐用年数で減価償却するとは限りません。

電気設備、給排水・衛生設備、空調設備、エレベーター、防災設備などは建物附属設備として、駐車場舗装や門・塀等は構築物として建物本体と区分できる場合があります。

一方で、税負担を減らすためだけに工事費を恣意的に細分化することはできません。

特に賃借店舗の内装工事では、建物附属設備に該当しない内部造作について、壁・床・天井等を自由に細分化するのではなく、原則として造作全体を一つの資産として合理的な耐用年数を見積もる取扱いにも注意が必要です。

タクスリンク税理士事務所では、町田・相模原を中心に東京都・神奈川県の中小企業・個人事業主について、店舗・事務所の新築、内装工事、固定資産区分、減価償却などの税務相談に対応しています。

高額な新築・内装工事をご予定の場合は、工事完了後ではなく、見積書の段階で建築本体・電気・空調・給排水・外構等の内訳を確認しておくことをおすすめします。

※本記事は、2026年9月現在の法令・耐用年数省令・耐用年数通達・国税庁公表資料等に基づき、店舗・事務所等の建築・購入・内装工事における一般的な固定資産区分を解説したものです。実際の区分・耐用年数は、建物の構造・用途、工事内容、設備の構造・使用方法、自己所有・賃借の別、新築・中古の別、修繕・資本的支出の別、工事明細等によって異なります。特に高額な建築・内装工事や一式工事からの資産区分については、工事請負契約書・見積書・設計図・設備図・工事明細等に基づき個別に判断する必要があります。

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Author Profile

末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。