銀行と取引をしていると、融資を受けてくれないか、定期預金を作ってくれないか、といった営業を担当者から受けることがあります。
銀行では、常に支店ごとに預金残高○○円、融資残高○○円といったノルマに追われており、特に3月、6月、9月、12月といった決算月には支店を挙げてノルマを達成すべく取引先を回っているのです。
もっとも、銀行もどこにでも融資をしたり、定期預金を作らせたりはしません。
お声がけがあったのは、銀行から貴社が優良な取引先と認められている証拠です。
もし、ノルマ達成の一助になることができれば、より覚えのよい取引先となることでしょう。
とはいえ、頼まれるがままに融資を受け、または定期預金を作るのはもったいないことです。
せっかく協力するのですから、今後の取引が貴社にとって有利なものとなるように交渉を行ってみましょう。
①融資を受けることを頼まれた
その融資は、プロパー融資でしょうか。
もし、信用保証協会付融資であれば、これを機にプロパー融資を出してもらえるよう交渉してみましょう。
たとえば、「保証協会の枠は緊急時に残しておきたい。プロパーであれば、借りてもいいですよ。」と伝えてみましょう。
普段からプロパーの当落線上にある会社であれば、普段より少しだけ下駄をはかせて、プロパーで出してくれるかもしれません。
もし、プロパーは難しいということであれば、残念ながらまだその銀行にとって自社の信用は不十分ということです。
「次は検討してみてください。」と伝えて今回は信用保証協会付で借りるか、断ってしまってもよいでしょう。
②定期預金を作ることを頼まれた
現金・普通預金を定期預金にするとスコアリングが下がる上、急な需要が生じた時に使える資金が減ってしまいます。
このように、会社にとってあまりメリットのない定期預金ですので、協力するのであれば、①同様にプロパー融資に向けた交渉材料に利用しましょう。
たとえば、500万円の定期預金を作ってほしいと頼まれたら、「250万円は手持ち資金から出せるので、もし残りの250万円をプロパーで出してくれたら500万円の定期預金を作りますよ。」と伝えてみましょう。
結局、返済利息のみを負担することになりますが、会社にとって、プロパー融資の実績が作れるというメリットはそれ以上に大きいといえます。
また、この交渉は、実は銀行にとっても悪くない話です。
銀行は、もしプロパーで融資した資金が回収できなくなった場合には、その回収できなくなった部分の金額と定期預金とを相殺することができるためです。
資金繰りに余裕のある会社は、是非、交渉にトライしてみてはいかがでしょうか。
ポイント ・融資や定期預金に関し協力することで、銀行とのより良い関係の構築を期待できる。 ・協力する場合には、プロパー融資獲得に向けた交渉材料に利用する。 |
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
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