法人を設立したら、青色申告承認申請書の提出期限に注意が必要です。
特に設立1期目から青色申告をしたい場合、提出期限は単純に「設立から3か月以内」と覚えると間違えることがあります。
正確には、
「設立の日以後3か月を経過した日」と「第1期の事業年度終了日」のいずれか早い日の前日まで
です。
この期限を過ぎると、原則として設立1期目から青色申告をすることはできません。第1期が赤字になる場合は、その赤字を翌期以降に繰り越せない可能性があり、影響が大きくなります。
経営者
法人を設立しました。
青色申告承認申請書は、いつまでに提出すればよいですか?
税理士
設立1期目から青色申告をする場合は、提出期限に注意が必要です。
期限は、
「設立の日以後3か月を経過した日」と「第1期の事業年度終了日」のいずれか早い日の前日まで
です。
つまり、設立から3か月だけを見ればよいわけではありません。第1期の決算日が先に来る場合は、その決算日の前日までに提出する必要があります。
経営者
「設立から3か月以内」ではないのですか?
税理士
実務上はそのように説明されることもありますが、正確には少し違います。
法人税法では、設立事業年度について、
「設立の日以後3月を経過した日」と「事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日まで
とされています。
そのため、「3か月を経過した日」そのものではなく、その前日までが期限です。
たとえば、4月10日に設立した3月31日決算法人であれば、設立の日以後3か月を経過した日は7月10日です。
この場合、第1期の事業年度終了日は翌年3月31日なので、早い日は7月10日です。
したがって、提出期限は7月9日までとなります。
経営者
設立してすぐ決算を迎える場合はどうなりますか?
税理士
その場合は、第1期の事業年度終了日が先に来ることがあります。
たとえば、設立日から3か月経過する前に第1期の決算日が来る法人では、設立から3か月を待つことはできません。
この場合、第1期の事業年度終了日の前日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。
設立直後に決算を迎える法人では、この期限を見落としやすいため注意が必要です。
経営者
期限を過ぎてしまったら、どうなりますか?
税理士
期限を過ぎてしまった場合、原則として第1期から青色申告の承認を受けることはできません。
その場合、第1期は白色申告扱いになります。
青色申告ができない場合の大きな影響は、欠損金の繰越控除です。
第1期が赤字だったとしても、通常の事業上の赤字については、白色申告年度の欠損金を翌期以降へ繰り越すことができません。
災害損失など一部の例外はありますが、一般的な創業赤字については、青色申告をしているかどうかが重要になります。
経営者
つまり、設立1期目が赤字になりそうな会社ほど注意が必要ということですか?
税理士
はい。特に注意が必要です。
設立1期目は、開業準備費用、広告費、人件費、設備投資などが先行し、赤字になることがあります。
青色申告承認申請書を期限内に提出していれば、その欠損金を翌期以降へ繰り越せる可能性があります。
一方、期限を過ぎて第1期が白色申告になると、通常の欠損金を翌期以降に繰り越せず、将来黒字になったときの税負担が重くなる可能性があります。
すでに期限を過ぎていて、かつ第1期が大きな赤字になりそうな場合は、影響額を必ず確認すべきです。
経営者
期限を過ぎたら、もう青色申告はずっとできないのですか?
税理士
いいえ。永久に青色申告ができないわけではありません。
第1期からの青色申告ができない場合でも、第2期以降から青色申告を受けられるように、次の適用可能年度を確認して速やかに申請します。
通常は、青色申告を受けようとする事業年度開始の日の前日までに申請する必要があります。
また、第1期が3か月未満の場合には、翌事業年度について特別な申請期限が設けられているため、設立日と決算日をもとに個別に確認する必要があります。
経営者
申請書を出したら、税務署から承認通知が来るのですか?
税理士
青色申告承認申請書を期限内に提出し、一定の日までに税務署から承認または却下の処分がない場合は、原則として承認があったものとみなされます。
これを、みなし承認といいます。
ただし、申請書を提出していない場合や、提出期限を過ぎている場合に、当然に第1期から青色申告が認められるわけではありません。
まずは、提出日と提出期限を日付ベースで確認することが重要です。
経営者
具体的には、何を確認すればよいですか?
税理士
まず確認するのは、次の3つです。
1つ目は、法人の設立年月日です。
2つ目は、第1期の事業年度終了日、つまり決算日です。
3つ目は、青色申告承認申請書を実際に提出した日です。まだ提出していない場合は未提出として確認します。
そのうえで、第1期が黒字見込みなのか赤字見込みなのかも重要です。
赤字見込みの場合、期限徒過によって欠損金の繰越控除ができなくなる影響が大きくなる可能性があります。
経営者
青色申告承認申請書を出し忘れていた場合、どう対応すればよいですか?
税理士
まず、設立日、第1期決算日、実際の提出状況を確認します。
期限内であれば、すぐに提出してください。
すでに期限を過ぎている場合は、第1期から青色申告を適用できない可能性が高いため、第2期以降いつから青色申告を適用できるかを確認します。
同時に、第1期の赤字見込額、青色申告を要件とする税額控除や特別償却の有無も確認します。
第1期が赤字で、すでに期限を過ぎている場合は、将来の税額に影響するため、慎重に検討する必要があります。
町田・相模原で会社設立後の税務手続に不安がある方へ
法人設立後は、青色申告承認申請書のほかにも、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認申請書など、期限のある税務手続が複数あります。
特に青色申告承認申請書は、設立1期目の赤字を翌期以降に繰り越せるかどうかに関わる重要な書類です。
町田・相模原で法人を設立した方、またはこれから会社設立を予定している方は、設立日と決算日をもとに、提出期限を早めに確認することをおすすめします。
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要点
主な根拠
※本記事は、一般的な税務上の取扱いを解説したものです。実際の提出期限や対応は、法人の設立日、第1期決算日、申請書の提出状況、第1期の損益見込み、青色申告を要件とする制度の有無などにより異なります。
Author Profile
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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