決算前に機械やパソコン、車を買えば節税できる?減価償却の事業供用日を税理士が解説

決算前に機械やパソコン、車を買えば節税できる?

決算が近づいて利益が出そうになると、

「機械を買えば節税になるのでは?」

「パソコンを3月中に買えば今期の経費になる?」

「車代を決算前に振り込めば減価償却できる?」

と考えることがあります。

しかし、固定資産は決算日前に購入・支払を済ませただけで、その期から必ず減価償却できるわけではありません。

減価償却で非常に重要なのが、

「事業の用に供した日」

です。

国税庁も、事業の用に供した日とは、一般的にはその資産の本来の目的のために使用を開始するに至った日と説明しています。

そのため、決算直前の設備投資では、

発注 → 契約 → 支払

だけを見るのではなく、

納品 → 設置・設定 → 試運転・検収 → 事業供用

まで決算日以前に完了しているかを確認することが重要です。

「購入日」「納品日」「支払日」「事業供用日」は全部違う

日付 意味 減価償却との関係
注文・契約日 購入契約等をした日 これだけでは減価償却開始にならない
取得日 税務上、資産を取得したと認められる日 設備税制の適用期限等で重要になる場合がある
納品日 資産が会社へ引き渡された日 重要な事実だが、納品だけでは供用とは限らない
検収日 仕様・性能等を確認し受入れを確定した日 取得・供用を判断する重要な証拠の一つ
支払日 代金を支払った日 通常、減価償却開始日そのものではない
事業供用日 本来の目的のため事業で使用を開始した日 通常の減価償却開始時期を判断する最重要ポイント

「取得」と「事業の用に供する」は何が違う?

機械は「工場に置いた」だけでは減価償却できない

試運転しただけで「事業供用」になる?

パソコンは届いた日に減価償却できる?

40万円未満のパソコンなら、決算前に買えば全額経費?

車は代金を払った日ではなく「納車・使用開始」を見る

登録日や車検証の日付だけで供用日は決まる?

ソフトウェアは「代金を払った日」ではなく「業務で使い始めた日」

ソフトウェアの設定費用や導入費用はどうなる?

3月31日に使い始めれば1年分減価償却できる?

決算直前の設備投資は、通常償却だけだと節税効果が小さいこともある

即時償却なら決算直前でも全額経費にできる?

中小企業経営強化税制は「買えば自動的に即時償却」ではない

即時償却を使うなら「購入してから税理士に聞く」では遅い?

機械を決算日前に納品したが、工事の一部が翌期に残った場合は?

一度事業供用した機械を、その後止めていても減価償却できる?

決算日前の「とりあえず設置」は危ない?

事業供用日の証拠として何を残す?

資産 残しておきたい資料の例
機械装置 契約書、納品書、検収書、据付完了報告書、試運転記録、生産日報、製造記録、写真
パソコン 請求書、納品書、端末設定記録、資産管理台帳、社員への配布記録、ログイン・業務利用記録
車両 売買契約書、車検証、納車書、運行記録、ETC履歴、営業・配送記録
ソフトウェア 開発契約書、検収書、リリース記録、本番移行記録、利用ログ、利用開始メール、システム画面等

決算前の設備投資で確認するチェックポイント

確認項目 内容
決算日 供用まで残り何日あるか
資産 機械・PC・車・ソフトウェア等の種類
取得価額 少額資産特例・設備税制等の判定
納期 決算日前に実際に納品されるか
設置・設定 据付・配線・PC設定・ソフト導入等が間に合うか
試運転・検収 本来の用途で使える状態になるか
事業供用 決算日前に実際の業務使用を開始できるか
税制 即時償却・特別償却・税額控除等を利用できるか
事前手続 認定・証明書等を取得前に確認したか
証拠 供用日を客観的に説明できる資料を残せるか

町田・相模原で決算前の設備投資を検討している方へ

決算前に機械、パソコン、車、ソフトウェアなどを購入しただけでは、その期から必ず減価償却できるわけではありません。

通常の減価償却では、原則として決算日までにその資産を本来の目的で「事業の用に供した」ことが重要です。

特に機械では、搬入だけでは足りず、据付・試運転を終えて実際の生産活動を開始しているかを確認します。

また、決算直前に通常償却を開始しても初年度は月割となるため、設備投資額と比べて経費額が小さいことがあります。

一方、少額減価償却資産の特例や中小企業経営強化税制による即時償却等を利用できる場合には、税務上の効果が大きく変わります。

タクスリンク税理士事務所では、町田・相模原を中心に東京都・神奈川県の中小企業について、決算前の設備投資、減価償却、少額資産、特別償却・即時償却などの税務相談に対応しています。

設備投資を検討している場合は、購入後ではなく、見積書が出た段階で「今期の経費にできる金額」と「利用できる設備税制」を確認することをおすすめします。

※本記事は、2026年9月現在の法令・法人税基本通達・国税庁公表資料に基づき、法人が決算前に機械、パソコン、車両、ソフトウェア等を取得した場合の一般的な減価償却・設備税制の取扱いを解説したものです。実際の事業供用日は、資産の種類、業種・業態、納品・検収・据付・設定・試運転の状況、実際の使用状況等を総合的に判断します。また、即時償却・特別償却・税額控除は制度ごとに対象法人、対象設備、取得価額、新品要件、事前認定、取得期限、事業供用期限等が異なるため、具体的な設備投資では購入前に個別確認することをおすすめします。

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末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。