固定資産の減価償却は定額法と定率法を自由に選べる?届出・変更を税理士が解説

固定資産の減価償却は定額法と定率法を自由に選べる?

固定資産を購入した場合、取得価額を一度に経費にせず、法定耐用年数に応じて減価償却していくのが原則です。

その際によく出てくるのが、

「定額法」

と

「定率法」

です。

定額法は毎年比較的均等に減価償却する方法で、定率法は購入当初の減価償却費を大きくし、その後徐々に償却額が小さくなっていく方法です。

そのため、

「利益が出そうな年は定率法にして、利益が少ない年は定額法にすればよいのでは?」

と考えるかもしれません。

しかし、会社が決算のたびに好きな償却方法を選べるわけではありません。

資産の種類によって選択できる方法が決められており、さらに一度選んだ方法を変更するには、原則として税務署長の承認が必要です。

定額法と定率法は何が違う?

資産ごとにどの償却方法を選べる?

資産 主な償却方法
建物 定額法
建物附属設備 定額法
構築物 定額法
機械及び装置 定額法・定率法
車両及び運搬具 定額法・定率法
工具・器具及び備品 定額法・定率法
ソフトウェア等の一定の無形固定資産 原則として定額法
一定の鉱業用資産 定額法・生産高比例法等
一定のリース資産 リース期間定額法等

車やパソコンなら1台ずつ定額法・定率法を選べる?

設立した会社はいつ償却方法を届け出る?

届出をしなかったらどうなる?

今まで定額法だったものを定率法へ変更できる?

償却方法を変更する期限はいつ?

何年か使えば自由に変更できる?

途中で定額法から定率法へ変えたら、過去の償却をやり直す?

定率法はどのくらい早く経費になる?

年度 定額法 定率法の概算
1年目 100万円 200万円
2年目 100万円 160万円
3年目 100万円 128万円
3年間累計 300万円 488万円

定率法なら永久に税金が安くなる?

定額法の方が有利になることもある?

会社は償却限度額いっぱいまで必ず減価償却する?

購入した年は1年分まるごと減価償却できる?

早く経費にしたいなら定率法より強い制度もある?

昔から持っている固定資産も同じルール?

取得時期 主な注意点
1998年4月1日以後 建物は定額法系のみ
2007年4月1日以後 現在の定額法・定率法等の仕組みへ移行
2012年4月1日以後 一般的な定率法は200%定率法
2016年4月1日以後 建物附属設備・構築物の定率法廃止

結局、定額法と定率法はどう選ぶ?

町田・相模原で設備投資・減価償却にお悩みの方へ

固定資産の減価償却は、会社が決算のたびに定額法・定率法から自由に有利な方法を選べる制度ではありません。

建物、建物附属設備、構築物のように現在は定額法しか使えない資産がある一方、機械装置、車両運搬具、工具器具備品などは定額法・定率法を選択できる場合があります。

また、一度選定した償却方法を変更する場合には原則として税務署長の承認が必要であり、決算で利益が判明してから遡って変更することはできません。

定率法には早期に経費化して当初の法人税負担を後年度へ繰り延べる効果がありますが、耐用年数全体で経費になる取得価額そのものが増えるわけではありません。

大きな設備投資では、通常の定額法・定率法だけでなく、即時償却・特別償却・税額控除などの適用可否も含めて検討することが重要です。

タクスリンク税理士事務所では、町田・相模原を中心に東京都・神奈川県の中小企業について、設備投資、固定資産、減価償却、各種設備投資税制に関する税務相談に対応しています。

機械・車両・パソコン等の購入を予定している場合は、購入前に償却方法と利用できる税制を確認することをおすすめします。

※本記事は、2026年9月現在の法令・法人税基本通達・国税庁公表資料に基づき、法人が保有する減価償却資産の一般的な償却方法を解説したものです。実際に適用される償却方法・償却率・償却限度額は、資産の種類、取得年月日、取得価額、耐用年数、事業供用日、過去の償却方法の選定・届出状況、変更承認の有無等によって異なります。特に2007年・2012年・2016年等の制度改正前後で取扱いが異なるため、既存資産については取得年月日を確認したうえで判断する必要があります。

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末廣 大地
起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。