投資の情報を調べていると、「これで節税になります」という言葉に何度も出会います。
ただ、NISA・iDeCo・不動産投資と中身を並べてみると、仕組みはまったくの別物です。
同じ「節税」という言葉でひとくくりにされているせいで、結局自分にはどれが合うのか分からなくなってしまう方は多いのではないでしょうか。
このページでは、投資による節税がなぜ分かりにくいのかを整理したうえで、「節税になる投資」には実は2つの違うパターンがあるという前提から、自分に合った選び方までを順番に見ていきます。
なぜ「投資の節税」は分かりにくいのか
節税になる投資が分かりにくい一番の理由は、「税金がかからなくなる」仕組みが、制度によって根本から違うことにあります。
NISAやiDeCoは、国が定めた非課税制度を使って利益そのものへの課税をなくす仕組みです。
一方、不動産投資でよく語られる節税は、減価償却という会計上の経費を使ってあえて赤字をつくり、給与所得など他の所得と相殺する仕組みになります。
前者は少額からコツコツ資産を増やしたい人向け、後者は一定以上の所得がある人が対象になりやすいものです。
同じ「投資」「節税」という言葉が使われていても、狙っている効果も向いている人も違うため、情報をそのまま比べようとすると混乱しやすくなります。
節税になる投資、まず整理したい2つのパターン
パターン1:利益そのものが非課税になる制度
代表格はNISAとiDeCoです。
通常、株式や投資信託の運用益には約20.315%の税金がかかりますが、この2つの制度を使うとその税負担がなくなります。
NISAは、年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで投資でき、生涯で1,800万円分の非課税枠を持てる制度です。
保有期間の制限もなく、売却すれば翌年以降に枠が復活する点も特徴です。
詳しい仕組みはNISAの節税効果はいくら?仕組みとシミュレーションでわかる本当の得で解説しています。
iDeCoは、運用益が非課税になることに加えて、毎月の掛金が全額所得控除の対象になる点がNISAとの大きな違いです。
ただし老後資金づくりを目的にした制度のため、原則60歳まで引き出せません。
掛金の控除でどれくらい得になるかはiDeCoの節税、結局いくら得なの?仕組みと落とし穴をやさしく解説にまとめています。
パターン2:損失を計上して他の所得と相殺する
もう一つのパターンが、不動産投資に代表される「損益通算」を使った節税です。
建物の取得費用を「減価償却費」として毎年経費に計上できるため、実際にはお金が出ていないのに帳簿上は赤字になることがあります。
この赤字を給与所得と合算すると、課税対象になる所得そのものを圧縮できる仕組みです。
ただし、この方法で効果を実感しやすいのは、課税所得がおおむね900万円を超えるような所得税率の高い層とされています。
物件によっても効果は大きく変わるため、向き不向きの判断は不動産投資の節税、本当に得する人・損する人の違いとはを参考にしてみてください。
自分に合う節税投資の選び方
どちらのパターンが合うかは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- まず目的をはっきりさせる:老後資金なのか、いつでも引き出せる資産形成なのかを先に決めます。
- 少額から始めたい・投資自体が初めてならNISA:非課税枠の範囲内であれば、いつでも引き出せる自由度の高さが魅力です。
- 老後資金と節税を両方狙うならiDeCo:掛金の所得控除は毎年効果が出るため、長く続けるほど恩恵が積み上がります。
- 課税所得が高く、本格的な節税を検討するなら不動産投資:ただし借入や空室リスクを伴う実物資産である点は忘れてはいけません。
いずれの制度も「まず少額・低リスクなものから試し、慣れてから範囲を広げる」という順番で検討すると、無理のない選択がしやすくなります。
つまずきやすいポイント・よくある誤解
- 節税額だけで判断してしまう:本来の目的は資産を増やすことです。
節税効果を優先しすぎて投資判断そのものが歪んでしまっては本末転倒になります。 - NISA口座の損失は他の口座と相殺できない:NISA口座で出た損失は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除の対象外です。
- 新築物件なら大きく節税できると思い込む:耐用年数が長い新築区分マンションは年間の減価償却費が小さく、節税効果は限定的になりやすい傾向があります。
仕組みの詳細は減価償却は節税になる?勘違いしやすい仕組みと今日からできる対策で確認できます。 - iDeCoを流動性の高い資金と同じ感覚で使ってしまう:原則60歳まで引き出せないため、生活資金と混同すると資金繰りに困る場合があります。
まとめ
投資の節税は、「利益を非課税にする」NISA・iDeCoと、「損失で相殺する」不動産投資という性質の異なる2つのアプローチに分けて考えると、自分に合うものが見えやすくなります。
まずは目的とリスク許容度を整理してから、無理のない範囲で取り入れてみてください。
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起業支援と財務コンサルティングが得意な税理士。
これまでの最高調達支援額は10億円。
町田・相模原エリア初の「決算料0円、月額10,000円~の税務顧問×創業融資支援0円×会社設立手数料0円の起業支援プラン」をリリース。
上智大学法学部法律学科卒。
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